リレーコラムについて

写経

吉田早苗

松下氏からバトンタッチした吉田早苗です。
(松下氏には飲みすぎるな、長生きしてねと言っときました)
フリーのコピーライター歴が10年ちょっと。
その前に百貨店のハウスエージェンシーと、
「コミュニケーション・アーツ・アール」という
デザイン会社に勤務してて、その前はOLしてました。
一週間よろしく!

さて、先日、3年ほど前に手がけて結局ボツになった商品企画が再燃。
そこで、事務所の根雪のように体積した資料の中から
当時の企画書を掘り当てようと、ホコリまみれになっていたら、
アララ懐かしい原稿用紙の束を発見しました。
タイトルは、「写経」。
あまりに懐かしくて、鼻のオクがツーンと・・・
「写経」とは、私がコピーラーターの駆け出しのころ、
どうやったらボディコピーがうまくなるか悪戦苦闘してたころの産物です。
なにかのコラムで、仲畑さんだったと思うのですが、
コピー年鑑を丸々一冊、ぜーんぶ書き写すのが一番の勉強だ!!!と。
そこで私はやりましたよ。毎日。原稿用紙にB5の鉛筆でグリグリと。
イスですけど心は正座して、背筋をシャンとのばし、
コピーを一字一句間違えないように、ひたすら黒々と書き写す。
仲畑貴志調、岩崎俊一節、真木準スタイル・・・
あのころから日暮真三さん、魚住勉さん、梅本洋一さんは
ボディコピー、少なかったナ。
私のコピーが上達したかは定かではないのですが、
それぞれのリズムが気持ちよかったんです。
みなさんも、いかがでしょうか、「写経」。
般若心経もいいけど、コピーも心が落ち着きますよ。

ここで、ふと。
そういえば、私も今ではマックで、キーボードで
コピーを書いている・・・
ってことは、今のヒトはキーボードをたたいて「写経」か?
うーん。うーん。なんか、違っちゃう気がする。

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