リレーコラムについて

ハワイのおすすめ観光スポット

熊谷卓彦

♪昔アラブのえらいお坊さんが
♪月の砂漠をはるばると
歌い出しからどこかに連れていかれる歌があります。

♪南の島の大王のその名も偉大なハメハメハ
も、そのひとつ。
その島の学校は
♪風が吹いたら遅刻して
 雨が降ったらお休みで
で、童心を鷲掴みにされました。
伊藤アキラさん、偉大です。

カメハメハ1世がハワイ諸島を統一したのは1810年。
ホノルルの浜辺に銅像があります。
『風雲児たち』(著・みなもと太郎)によれば、
自分の銅像を作らせる際に、男前の家来をモデルにさせるような
「南国人特有の大らかさというか どうも不思議な価値観を持ってた」人だったとか。
♪誰でも名前がハメハメハ
に通じるようで、そんなところが人をハワイ好きにさせる理由に違いありません。

訪れたのは大統領選の最中で
タクシーの運転手さんの話では、「トランプは好きではない。でもヒラリーはお金に汚い」。
アメリカの大統領は退任後に記念図書館をつくる慣例があるそうなのですが、
オバマさんがハワイ出身のはずなのにシカゴにそれをつくることを決めたことへの失望もあり、
トランプ支持に寄っていたような印象でした。
ちょうどその頃アメリカに赴任していた友人も「ヒラリーは嫌われているねぇ」と言っていて、
外国の人にはピンときにくい嫌われ方があるんだなあと思いました。

その運転手さんは日系3世の方で、お祖父さんは日系部隊に所属されていたそうです。
その連隊の出身者はハワイの要職についた人が多く、
ハワイの発展に貢献したと誇りにされていました。
ホノルル国際空港がダニエル・K・イノウエ国際空港と名前を変えましたが、
あのイノウエさんもその部隊、442連隊の出身です。

ではお父さんはなにをされていたのかと聞くと、やはり軍人でベトナムに行っていたと。
ひとつ上の親世代が戦場に行っていたことにはっとしました。
アメリカも、どの世代にも戦争経験者がいる、戦争の記憶が途絶えることのない国でした。
そのことが戦争を当然とするのか、こりごりとするのか。
大統領が広島を訪れ、被爆地との距離が近づいたことは
遠い将来、なんらかの種となるでしょうか。
   
真珠湾に行かれるのであれば、太平洋航空博物館をおすすめします。
アリゾナやミズーリ、潜水艦のボーフィン号に比べると、
やや地味に見えるかもしれませんが、そこをなんとか。
たくさんの実物の戦闘機が展示されていて、
日本のゼロ戦も、ソ連のミグもあって、
何より日本人のガイドさんがいますので、ぜひガイドツアーを申し込んでみてください。
真珠湾や戦闘機のことだけでなく、飛行機そのものの進化の過程も教えてもらえます。

驚いたのは、戦闘機の小ささでした。
トップガン、映画はかっこよかったですが、本物はもっとおもちゃっぽく見えます。
車で言えば、トレーラーではなく、ちょっと頑丈な軽トラ。
こんな一見ちゃちいもので音速で飛んで鉄砲を打ち合うなんて、
正気の沙汰とは思えません。

現地で、どんなルートで日本の飛行機が攻めてきたのか、教えてもらえました。
あっちの空から、こう飛んできて、そこにあった倉庫を攻撃して…というように。
その第一投から目撃していた、元米軍の方も案内にいらっしゃいます。
がっしりとした体格の、90歳くらいの男性です。

挨拶しようとすると、どうしてでしょうか。
「生き残ってくれてありがとう」という言葉が口を割りました。
こうして書くと不自然な、演出が入ったようになりますが、
あの場では、お互い自然に感じていたと思います。
相手は相手で、「ああ、ああ、わかっているよ」という感じです。

普段は初対面の人と握手をする習慣はありませんが、
この時は手をさしだずにはいられませんでした。
不思議なものです。
握手した瞬間、「この人が生きていて本当によかった」と思いが溢れました。
本当に、溢れるという感じです。

本能的に、人は握手した人を大事に思う様にできているのでしょうか。
どなたか、同じような経験をされるようなことがあれば、お教えください。
真珠湾も、本当を知る人と会うことができる時間は、
もうあまり残されていないのですが…。

一週間、おつきあいいただきましてありがとうございました。
後半、つい戦争に寄ってしまいましたが、
TCC年鑑、どうぞお楽しみにしていてくださいね。

リレーコラム、次は、株式会社桜の安田健一さん。
宣伝会議の叩き上げコースの講師のおひとりです。
この人に会えた人は幸せな人だと思わせる、やんちゃな紳士。
どうぞお楽しみに。

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名前
5680 2024.03.29 鶴香奈子 おあとがよろしいようで。
5679 2024.03.27 鶴香奈子 桜の季節ですね。
5678 2024.03.25 鶴香奈子 今の時代の「いいコピー」って何?
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