リレーコラムについて

住民の声

大津裕基

閑静な住宅街を歩いていると、突然暴力的な言葉に遭遇して驚くことがある。白亜の豪邸に掲げられた黄色い横断幕、「断固反対!マンションはいらない」というようなものだ。

私はこうした住民の反対の声に静かに耳を傾けるのが好きである。たいてい、住民は何らかの建設に反対している。だが、反対する理由はどこにも書いていない。「ホテル建設反対!」などは、モノポリーのプレースタイルに対する主張ととらえられても仕方がない。

掲げきれないほどの理由があるのだろう。だが、相手も忙しい人間である。きちんと反対の理由を伝えないと話は進まない。いつまでモノポリーの話をしているんだと思われてはいけないのだ。

以前、鎌倉の閑静な住宅街を通りかかった時のこと。例によって住民の反対の声がいくつか掲げられていた。ほとんど覚えていないのだが、ひとつだけ、「怖い墓地反対!」という主張には目が止まった。

初めて住民の反対の声と意見が一致した。私だって怖い墓地は嫌である。ただ問題がひとつだけ。その看板は白地に真っ赤なペンキ文字で書かれ、竹やぶの中からそろりと顔を出していて、墓地なんかよりよっぽど怖いのである。建設反対の道は険しい。

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