リレーコラムについて

「センテンススプリング」

佐藤舞葉

いやあ、よりにもよって、である。しかも相手の名前がゲスの極みってなあ。「ベッキー、ゲスの極み」って週刊誌の記者を喜ばせてどうする。まあこれが沢尻エリカだったら不倫は勲章ぐらいのものだが、なにせ職業・好感度のベッキー。CMも降板しついに休業を余儀なくされてしまった。って、ちょっと待てよ。おまえらそもそも「ベッキー」に何を期待していたのだ。いや、今回のバッシングが「ベッキーはそんな子じゃないと思っていた」という怒りからくるならわかる。しかし実際のところは「そもそもいけすかないと思っていた」「うさんくさいと思っていた」という感情が本件をきっかけにあふれ出したというのが真実であろう。それはかつて有吉がベッキーに「元気の押し売り」というあだ名をつけ大爆笑をかっさらったことが全てを物語っている。ベッキーの芸能界におけるポジションは「好感度の高い」「元気いっぱい」といった生やさしいものではなかった。「自分のキャラクターを精一杯の努力で演じている」「プロ意識の塊」-スポンサーだからという理由で天一以外のラーメンは口にしないという都市伝説がでるくらいの―といったある種の「痛々しさ」を含めて「ベッキー的なもの」は完成していた。だから、私などはLINEでのやりとりを見たときにあまりにもTVでみるキャラクターと変わらないことにむしろ驚いたくらいだ。ふつう、恋人同士だったらそれこそもっとゲスな会話をしているだろう。そう考えると、我々はむしろベッキーを過小評価していたのではなかったかと思える。ベッキーに演じている痛々しさなんてなかった。むしろ素であのキャラクターなんだよ。不倫が見つかっても「センテンススプリング」で返せるポジティブさが常人にあるだろうか。いや、あったところでだからどうなんだと言われても困るが。

「もしナンシー関が今のベッキーを評したら」という体でトライしてみましたが、ムリでした。(ファンの方すみません)
ちなみに、ナンシー関さんは自分が初めて「文体」の存在を認識した作家です。
基本、本を読まないので、作家ごとに文体というものがあることを知らなかったのですが、
週刊誌は好きで子どものころからよく読んでました。
コラムを毎週読んでると、気づくわけです。
「あ、このひとの文章ってなんか違う」と。
それが「文体」というものだということに気づくのは、また10年後くらいなのですが。

それではまた次回。

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