リレーコラムについて

「嫌な予感がする」

照井晶博

“I have a bad feeling about this.”

「嫌な予感がする」という意味のこの言葉、
『スター・ウォーズ』の旧3部作、新3部作、
計6作品に共通して出てくる有名なセリフです。

『新たなる希望』では
ルーク・スカイウォーカーとハン・ソロ。
『帝国の逆襲』ではレイア姫。
『ジェダイの帰還』ではC3-POとハン・ソロ。
『ファントム・メナス』では若き日のオビ=ワン。
『クローンの攻撃』ではアナキン・スカイウォーカー。
『シスの復讐』ではオビ=ワンが、
このセリフを口にしていました。
……と書いても、『スター・ウォーズ』に興味ない人には
まったく通じないでしょうね。

“I have a bad feeling about this.”

来月公開になる『フォースの覚醒』でも、
きっと誰かが言うのでしょう。
『フォースの覚醒』の脚本はローレンス・カスダン。
『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』も手がけた
人ですから、間違いなくこのセリフは入れてくる。
このカスダンさん、
もともとはコピーライターだったそうです。

『スター・ウォーズはいかにして宇宙を制服したのか』
という最近出たばかりの本があります。
『スター・ウォーズ』という作品がいかにして生まれたか。
その舞台裏の歴史を描いた1000ページにおよぶ大作。
『新たなる希望』の脚本第3稿では主人公ルークが
18歳の少女であったこと、あのデヴィッド・リンチが
『ジェダイの帰還』の監督候補だったこと、
『シスの復讐』の初期の構想では、
パルパティーンが「私がお前の父なのだ」と
アナキンに言うセリフがあったことなどなど、
知られざるエピソードで溢れている
『スター・ウォーズ』ファンならたまらない1冊なのですが、
『フォースの覚醒』がとても不安になる本でもあります。

というのも、新作の脚本も担当したカスダンさん、
『ジェダイの帰還』のミーティングで、
「途中でルークを殺して、レイアを主役にしよう」と
ジョージ・ルーカスに提案したのだそうです。
ルーカスが反対すると、タダでは引かないカスダンさん、
「そうか。じゃあヨーダを殺そう」と、とにかく殺意全開。
なんでも、物語の途中で愛すべきキャラが死ぬことで
感情的な重みが増すんだ!という持論の持ち主らしい。
けっきょく、ルーカスが猛反対したことで、
ルークは死なずにすんだわけなのですが、
ぼくがこんどの『スター・ウォーズ』に対して抱く
嫌な予感は、まさにここなんです。

だってほら、
コピーライターに限らないとは思いますが、
ものをつくる人間って、
けっこうしつこいじゃないですか。
めちゃくちゃ愛着のあるアイデアだったとしたら、
一回ボツにされたくらいじゃ諦めない。
元コピーライターのカスダンさんも、
ルーカスがいなくなったことをこれ幸いとして、
今回はメインキャラの誰かを殺してくるんじゃないか。
そんな嫌な予感がしてならないのです。

この予感、はずれるといいんだけどなぁ……。

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