リレーコラムについて

360→3600(後半)

正樂地咲

きょうも正樂地が大阪中央区をキーステーションにお届けいたします。

本日のトークテーマも、前回につづき「360→3600」です。

 

6回もプレゼンしてつくれることになった1時間のラジオ番組。

ロングコートダディの単独ライブにならい、フリートークは無しにして、

ラジオCM同様に台本を用意し、演出して、つくっていこう。

 

と書き始めてすぐに気づきました。ベース広告ではないので商品がない。

商品がないので、これといって言わなくちゃいけないこともない。

「無理なくつづく」という概念があるだけ。

私が何を言いたいかにかかっているが、社会に向けて言いたいことも、

そんなにない。あれ?書きたいって、何を書きたいんだっけ?

 

と謎めいた気持ちのまま、それでもなんとか書いてみて、

3分くらいのものが1本書けた。

これでも普段のラジオCM60秒の3本分にあたる尺。

そしてまた気づいた。この3分って、タイムラインのどこに乗せるんだっけ?

1時間あるうちの、どのあたりの3分なんだろう…。音楽分を引いても

40分強は文章がいるわけで…ラジオCM1分を40本分書くってことか…。

書けないかも…。でも書くしかない…。

自由に書くのって自分と向き合う分、意外と苦しい。

 

一方その頃、ルールに縛られすぎて身動き取れない仕事もあって、

不自由は不自由で苦しい。でもこちらは見てくれる上の人もいれば、

締め切りもあるので、自分なりに頑張って書けている気もする。

 

と自由と不自由を行ったり来たりしていたら、

ロングコートダディがまた新しい単独ライブ「じごくトニック」を開催。

NGKへ観に行きました。「しんどいくらいがちょうど楽しい」というせりふに衝撃。

 

劇場からの帰り道、自宅までチャリを漕ぎながら、情けなくて泣きそうになっていました。

「不自由な方は頑張り方が分かってる分、全力な感じがするけど、

自由な方は今ひとつ頑張れていない。」

「さっき舞台であれだけ輝いていた2人に演じてもらうのにこれは失礼すぎる。」

「絶望、失望、何をくすぶってんだ!」

 

必要なのは本腰。大事なのは本腰。自由な方にも本腰を入れたい。

そこであみ出したのが、不自由な方でたまったストレスを自由な方で発散する!

というやり方…いや精神論。

 

不自由な方でくそっ!と思ったエネルギーで、自由な方を書いていく。

確かに私は昔から、なにくそっ!がエンジンになるタイプだった。

不自由でくそっ!自由できもちいい!くそをきもちいいへ変換する。

しんどいくらいがちょうど楽しい!

 

そうして1ヶ月ほど書いていたら、10本強あれこれできました。

食生活ボロボロ、部屋ぐちゃぐちゃ、情緒あやしい、

ちょっと書けたら会社の後輩のたかき君に見せて褒めを強要、

親に家事代行を依頼、周りにも自分にも迷惑をかけまくりました。

書くことが生活の邪魔。

 

そうしてできた台本にクライアントさんは1発でオールOK!

やりたいこと全部やりなさいと激励をいただきました。

 

収録や編集は、ただ夢の時間。おふたりの演技やお人柄により、

行き過ぎもせず、足りなさすぎもしない、丁度よいものとなりました。

そうそう、こうなって欲しかった。

 

今になって思えば、社会に言いたいことを探していた時は何も書けなくて、

書いてもウソの文章でしたが、

なんとなく自分が思っていることには、体温をのせられることも分かりました。

 

と、初めての番組から2年。

クライアントさんの深いご理解と、おふたりの大活躍で、

これまで計5回「無理なくつづく」はつづいています。

今では、負の何かをエネルギーにせずとも、淡々と、無理なく書けるようになりました。

 

「無理なくつづく」のためにした、かなりの無理は、魂の筋トレとなりました。

しんどかったけど、やってよかった、という印象です。

 

今日の枝葉写真:野っ原で、醤油ラーメン待っている。

正樂地咲の過去のコラム一覧

5596 2023.10.01 3600→
5595 2023.09.29 360→3600(後半)
5594 2023.09.29 360→3600
5593 2023.09.27 60→360
5592 2023.09.26 20→60
NO
年月日
名前
5692 2024.04.21 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@ヘラルボニー
5691 2024.04.20 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@韓国の街中
5690 2024.04.17 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
5689 2024.04.12 三島邦彦
5688 2024.04.11 三島邦彦 最近買った古い本
  • 年  月から   年  月まで