リレーコラムについて

スキーとドロガ

上島史朗

高校生の頃、スキーで
クルマを当てたことがある。

埼玉の県立高校に
なぜかあった競技スキー部。
赤と青の旗門を交互に滑り降りて
そのタイムを競う。

群馬県で出場した一般大会には、
賞品としてクルマが用意されていた。
優勝賞品、ではない。
2月24日の大会で、
僕の順位は224位だった。
そう、まさかのピッタリ賞だ。

免許もない高校生が、軽の新車を手に入れた。
こういう時、「嬉しい」よりも「どうしよう」が勝る。
それに、300人ぐらい滑って、224位…。
遅すぎるタイムが悲しい。

表彰式。
カメラマンの指示通りに、
厚紙でできた巨大な鍵を頭上に掲げた。
どうやら、翌日の上毛新聞に載るらしい。
ぎこちない笑顔で撮影に応じる、224位。
リボンのついた鍵は妙に軽かった。

その後もスキーはずっと続けている。
ある時期、スキー場で働きすぎて、
スキー場の社長から
「あんちゃん、そこの土地やるから家建てろや」と、
駐車場横の斜面への永住を勧められたこともあった。

スキーのおかげで、
長野で働く決心がついた。
スキーを通して、
たくさんの魅力的な人たちと
出会うことができた。

今週やっているカンヌで、
審査委員長を務めたこともある
広告界のスーパースター、
droga5のデビッド・ドロガ。
彼は、かつて故郷のオーストラリアで
スキーのインストラクターをやっていたらしい。
(この情報は、丘サーファー時代に手に入れたものだ。)

6人介せば、世界中の人と出会える世の中だ。
ドロガに会えたら、スキーの話で盛り上がろう。
話が盛り上がったら、その勢いで
あの頃よりも少し元気のない
日本のウィンタースポーツを、
一緒に盛り上げる仕事をしよう。
(と切り出してみよう。)

「言い続けることで実現」派の僕としては、
最後まで無謀に言ってみることにしました。

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5日間読んでいただいた方も、
今日のコラムだけ読んでいただいた方も、
おつきあい、ありがとうございました。

来週からは、パーラー パトリオットM
「お金なんかなくても、人は生きていけるんだよ。←無理です。」
というコピーで今年新人賞を受賞された
東京コンサルトの松田脩さんです。
阿部さん、宮田さんから渡された、
初対面つながりの新人バトン、つづきます。
松田さん、よろしくお願いします!

NO
年月日
名前
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5691 2024.04.20 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@韓国の街中
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