リレーコラムについて

うまいこと、あれする。

村中元

はじめまして。こんにちは。
リクルートメディアコミュニケーションズの村中元と申します。
短い間ですが、よろしくお願いします。

20代の頃、周りから「適当番長」と呼ばれていました。
相当いい加減な人間だと思われていたようです。
過去形で書きましたが、今もさして変わりません。

心当たりは腐るほどあります。
たとえば、以下はぼくの仕事のモットーです。

「小さなミスは、まあええわ。
細かいことは、どうでもええわ。
ピンチになったら、なんとかなるわ。」

さて、そんなぼくが、
近頃、使うたびに感動する言葉があります。
言葉というより、セリフでしょうか。

「なんかうまいこと、あれしときますわ」

たとえば会議中。
仕事やプロジェクトの細かいディテールについて、
上司や先輩にあれやこれやと問われたものの、
ふだんから何も考えていないことが露呈し、
具体的な答えがパッと出てこない。そんなとき。

細かいことはどうでもいい
をモットーとするぼくは、いつも困ります。
困るのですが、焦らないのが良くないところ。
正解を出そうなんて、1ミクロンも思わない。
その場を凌ぐことに全神経を集中させます。
そしてタイミングを見計らって、こう答えます。

「ま、この辺の細かいところは、
なんかうまいこと、あれしときますわ」

どうでしょう。
この決然としたいい加減さ。
鮮やかとしか言いようのない適当さ。
何も言っていないくせに堂々たる佇まい。
もはや美しさすら感じるのは、ぼくだけではないはず。
「声に出して読みたい日本語」にノミネートされても、
違和感を覚える人はいないに違いない。

なにより感動するのは、
これで、たいがいその場を凌げてしまうところ。
凌げない“その場”に出会ったことは、
少なくともぼくは一度もありません。
たいがい、「・・・ん、まあ、なんか、
あれしといて、うまいこと、よろしくな」
というよくわからないリアクションが返ってくるのみ。
きっとこの巧妙さに、相手もなす術を失うのでしょう。
日本語の粋を極めた巧妙さが、この言葉にはあります。

皆さまも今日から使われてみてはいかがでしょうか。
使うときは、タイミングだけ少し注意してください。
上司や先輩から何かを問われてから、
気持ち間を置くことがポイントです。
「2気持ち」から「3気持ち」くらいの間です。
何を言っているのか自分でもよくわからなくなってきましたが、
ともかくそのくらい間を置くと、いい感じに効きます。
効いて、今まで積み重ねてきた信用を失うでしょう。

応用編として、
「あんじょうやりますわ」などがあります。

ぼくレベルの、いい加減上級者になると、
「あれする」と「あんじょうやる」を、
なんかうまいことあれしながら、日々機嫌よう、
あんじょうやっていくことができるようになります。

さらに上級テクニックをマスターしたい。
そんな方は、ぜひ国会中継をご覧ください。
上級者のぼくがガキに見えるくらい、
高等なテクニックがアホほど見られるでしょう。

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