リレーコラムについて

朝を買う

澁江俊一

誰がなんと言おうと
(誰もなんとも言わないが)朝市が好きだ。
旅の目的が朝市なときもあるくらい好きだ。

日本三大朝市が勝浦、輪島、飛騨高山
だということも、とっくに知っている。
三大といっても規模の話ではなく
歴史の古さだったりするので
勝浦の朝市なんかはかなりこじんまりと
かわいらしいことも知っている。

高知の日曜市はすばらしかった。
1.3kmもの長い距離に、ずらりテントが並び
手作りの寿司や果物や野菜、
魚や服や民芸品まで、プロの商人じゃなく
遠くからこの日のためにやってきた普通の人が売っている。
一往復で2.6kmなのに、なんども往復してしまう。
厳密には夕方までやっているから朝市じゃないけれど
やっぱり断固、朝に行くべきだ。

普通の買い物を思い出してみよう。
スーパーに行くのは家に帰る前の夕方が多いだろう。
ネット通販は時間をかけて比較できる風呂上がりの
深夜が多いんじゃないか?TVの通販も深夜だし。
僕たちは駅でガムやコーヒーを買うことはあれど
朝早くから青空の下で野菜や果物を買う機会なんて、
かなり少ないのだ。
ところが!
朝市ファンなら当然の知識だが、
知らない人には意外な事実がある。
朝市で売られているものは朝日を浴びてキラキラして
たいていのものは、すごく素敵に見えるのだ。
さらに朝の空気は爽やかに澄んでいるから
買う人を清々しくポジティブな気分にしてくれる。
しかも彼らは「早起きは三文のトク」なんて
言葉を思い出しながらいいものを探しているから、
財布のひもなんて、ないも同然。ゆるゆるだ。

これが「朝市効果」である。
この効果を経済界はもっと利用するべきだ。
若者離れが進行している自動車やバイクなんかも
朝市なら飛ぶように売れるだろう。
物流が滞っている東北地方の物産も
全国に運んで朝市で売るのはどうだろう。
きっと売れる。僕は買う。

コンビニが24時間365日やっていて
楽天やアマゾンは家にいれば
なんでも届けてくれる便利なご時世なのに
モノがなかなか売れない国、日本。
そんな日本の経済を救うポテンシャルが朝市にはある。
朝市に出店するなんてほぼ起業だ。
就職難だって解決するかもしれない。
日経新聞やワールドビジネスサテライトで
朝市を今すぐ特集するべきだ。
(見てないだけでとっくにやってるのかも?)

ケータイでなんでも買える昨今
朝早くしかやっていないし、
わざわざ行かなきゃなにも買えない。
朝っぱらから時代に逆らっているなんて
パンクロックだぜ、朝市。
ああ、朝市にコピーをプレゼンしたい。

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