リレーコラムについて

曲がり角

小澤裕介

ふだんからよっぽど隙を見せているからか、
「道を教えてください」とか
「募金してください」とか
「署名してください」とか
「お祈りさせてください」とか
「日本ハジメテデス 友達ニナッテクダサイ」とか
おなじ外人から
「僕スポーツインストラクターデス アナタノ体触ラセテクダサイ」とか
いろいろと頼まれることが多いようです。

先週も道端で、「髪をカットさせてください」と
見知らぬ美容師の練習生に頼まれました。
「そういうクセ毛、切らせてもらいたいんです、いまの髪型、テッペンがペタンコで、
サイドや後ろはボワンッとして、もみあげがモシャッっとなってるじゃないですか、
私ならもっと上手くできると思うんです、何ヵ月切ってないんですか?ええー2ヵ月半も?
それって何か特別な理由でもあるんですか???」
いま急いでるから、と突き放しても引き下がってくれず、
強引に逃げようと駆け出したら
アッ!と危うく托鉢中の僧侶にぶつかりそうになり
・・・ああそうか、今年もすっかり、暮れなんですね。思わずほっこり。

さて、持ち前の「コイツ断れなさそう感」に加えて「ヘン髪」という、
今回は二重の隙につけ込まれてしまった訳です。
でも、そんなに声を掛けずにはいられない髪型だったのだろうか。
ほとんど自覚ナシ。ところで、この手の“身だしなみの隙”って、
これからもどんどん大きくなっていきそうな予感がするんです。ワクワク。
たまに服を買おうと思い立っても、若いショップ店員に
「今日は どんなカンジで お探ッスかぁ〜」と
グルーヴ感たっぷりに声をかけられると、
逃げるようにそっと目を伏せてしまう。初期症状かもしれない。
ブティックが、年々肝だめしの場になっていくのだろうか。
職場の新人よりも若い男性店員に
ファッションの教えを乞うのが、ちょっと恐怖な40男。
嗚呼、ネクタイを締めないコピーライターの、服装の曲がり角よ。
かといって、今さらがらりとスーツに衣替えするのも、
大事なナニかを返上してしまう気がするし。

ちょっと待てよ、これってもしかして、
自分のコピーの書き方についても重要な示唆をふくんでいるような、
ちょっと根本的な問題ではないだろうか。

う〜む。

やっぱり、そんな大した話じゃ、全然なかったです。

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