リレーコラムについて

景気回復

安達和英

「コピー書いてる?」
「書いてます!」

会社の先輩に、
廊下ですれ違いざま声をかけられた。

先輩と僕が同じ仕事のチームなら、
その言葉は、次の打ち合わせに向けて
「おい!ちゃんと書いてんだろーな!?」の意味になるのだが。

その先輩とは、しばらく仕事をしていない。

「元気?」
「最近どぉ?」
「忙しい?」

すれ違いざまの挨拶として浪費されている
これらの言葉たちの代わりに、
「コピー書いてる?」という言葉を使って、
笑顔で声をかけてくれたのだ。

一瞬ふいを突かれつつ、
「書いてます!」と返事をし、
すれ違ったあと。

「コピー書いてる?」という声かけが、
頭の中をぐるぐる回った。
心の中に、
何とも言えない気持ちよさが
どんどん膨らんでいった。

「おはよう!」と元気よく交わすときの気持ちよさとは、違う。

「おはよう!」が人間的に気持ちいいとすると、
「コピー書いてる?」は仕事人として気持ちいいというか。

コピーライターとして、
健全で、前向きで、なんだか仲間感がある。
そしてなにより、
“コピーを書く”という仕事に誇りを感じる言葉に、
気持ちよさを感じた。

こういう挨拶の仕方が広告業界に広がっていけば、
業界全体に漂う不況感も
簡単に打破できるんじゃないか、と思った。

もっと言うと、こういう挨拶の仕方は、
どんな職業でもできるはず。

たとえば外科医が、
「命、救ってる?」
「救ってます!」
とか。

弁護士が、
「六法、読んでる?」
「読んでます!」
とか。

町工場で、
「ネジ締めてる?」
「締めてます!」
とか。

農村で、
「土、いじってる?」
「いじってます!」
とか。

なんでも。

あらゆる職業の人たちが、
前向きで、仕事に誇りを感じるような言葉で
声掛けし合う。

そんな運動が始まって、広がっていったら。

それだけで
日本は元気になる!
景気だって簡単に回復できる!とすら思った。

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