リレーコラムについて

立花隆

前田知巳

タバコの自動販売機で、よく分からないことがある(煙草を吸わない方は、無視してください)。最近の自販機では、500円玉を使えないのがほとんどなんですよね。財布の中に500円玉があるのに使えない状態っていうのは結構なフラストレーションで、こういう時は「誰だ、こんな使えない硬貨を作ったやつは!」と舌打ちしてしまいます。特にやりきれないのは、そのかわりに千円札を入れた時。たまに500円玉がおつりで出てきたりするんだよね。ふざけんな!

でも、500円玉が日本に登場した時、すでに一部の人々からは失笑を買っていたらしいですね。「日本て国は、わざわざ偽造してくださいって硬貨を作ってくれた」と。その筋の人からいわせれば、まさに天から降ってきた僥倖だったらしい。

こういう話を聞くと、500円玉が、まるで日本のお間抜け政策の象徴に思えてきます。「ちょっと考えると分かるのにねぇ」という、その「ちょっと」の思考部分が、決定的に欠落している感じ?それは、「こういうことをすると、きっとこういう展開になる」という、いわば想像力の問題になってくると思うのだけれど。

想像力の欠如。このことは、今後ますます日本人全体に付きつけられる問題になってくるんじゃないかと思います。日常的なモラルの問題から、一人一人の、それぞれの未来に対するビジョン・メイクまで。中村禎さんがこのコラムで書いてたことも、きっとそういうことなんじゃないかと思いました。

でも「じゃあ、お前は想像力に長けているのか?」と言われれば、まったく自信ないしね、僕も。それどころか周りの人たちには、相当迷惑かけていると思いますよ。そういうことって、人から指摘されて初めて気付いたりすることだからね。まあ、それはそれとして敢えて言うけど、日本って国のシステムは、下から指摘されて気付いて直す、ってことにおいては甚だ不得手だということも分かりますよね。企業もそう。

えーと、こういう非常にとりとめのない話になってしまって恐縮なんですが、わざわざこんなオッサン臭い話をするのも、人間、危機感が想像力の源になるんだなぁ、としみじみ思うからです。元を辿れば「本能で絶滅したくないって悟るから、生物は進化する」ってことやね。最近、それをひしひしと感じたのが、立花隆さんの「21世紀・知の挑戦」という本を読んだ時。日本人としてはほとんど絶望的で、人類としては極めて希望に満ちた未来を予感させる一冊でした。暇な人は読んでみてください。

さて、来週は博報堂・期待のコピーライター、吉岡虎太郎の登場です。言っとくけど芸名ではありません。無茶苦茶面白いヤツです。僕は佐倉さんと違ってちゃんと前もって頼んどいたから、月曜からバシッと決めてくれるはずです。期待して読め!

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