リレーコラムについて

おじいちゃんのROLEX

横澤宏一郎

「その(腕)時計なに?」
「あ、これ?おじいちゃんのROLEX」

って言うのカッコイイなーって思ったんです。
時計とか詳しくないので、やっぱりROLEX、みたいなのがあって、
でも、アンティークというか味があるのがいいなーと。
買ったんじゃなくて、もらったというのもカッコイイなーと。
値段とか知らねーし、みたいなのがいいなーと。

でも、祖父は早くに亡くなってしまったので、ROLEXをもらうこともなく。
そして、祖父から父がROLEXを受け継いだ、なんてこともなく。

私の『おじいちゃんのROLEX』構想は辛くも崩れていったわけです。
うーむ、困った。

アンティークショップで年代モノのROLEXを買っても、
それは『(誰か知らない)おじいちゃんのROLEX』であり、
『(よその)おじちゃんのROLEX』であるわけです。

なんか、それでは
「あ、これ?おじいちゃんのROLEX。知らないおじいちゃんのだけど」
という言い訳をしたくなってしまう。
「あ、これ?おじいちゃんのROLEX。結構高かったんだよね」
とか正直に言ってしまう。

やっぱり血のつながりによる継承が必要だ。

で、私は新品のROLEXを買いました。
そう、私が「おじいちゃん」になって(息子経由か直接か)、
孫に『おじいちゃんのROLEX』をあげようと。

そうして8年前に手に入れたROLEXを、私は肌身離さず付けている。

(っていいながら、夏場は汗ばむのでほとんど付けないけど)

おじいちゃんになる日まで。

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