リレーコラムについて

聞きたい言葉

林潤一郎

どうしたの?
何か、いいこと、あったでしょ。

辛そうだね?
ちょっと、息抜きに、コーヒーでも飲もうか。

くらしの中には、
聞きたい言葉がたくさんあります。

別に、格好いい必要なんてありません。
感動させるような表現である必要もありません。

ただ、スッと、こころの中に入ってくるような。
時に、ガツンと、気づかせてくれるような。

自分が置かれた状況や立場、
その瞬間の気分を推し量ったような、
短くて、シンプルな言葉。

いつまでも残っている言葉は、
映画でも、小説でも、同じ。

そこで、聞きたいと思った言葉だ。

コピーライターの作品には、人柄が出るという。
背伸びしたり、無理をしてみても、
どこかその人のにおいとか体温みたいなものが感じられる。
作風と呼ぶには、あまりにも深い。

毎日必ずひとこと。
聞いてうれしかったこと、いやだったこと。
言ってよかったこと、だめだったこと。

書き留めよう。
僕は天才じゃない。

気に留めよう。
世界には、今日も聞きたい言葉がある。

一歩、引いてみる。
これほど言葉に強い想いを抱いているのは、
僕が、コピーを書くことを生業にしているからではないのか。
寂しい気持ちになる。
信じたくないなぁ。

悲観的になってはいけない。
これまでも、世界を動かしてきたのは言葉だったはずだ。
演説もそう。歌もそう。詩もそう。
たったひとりしか、聞いてくれなかった言葉でもいい。
ひとりひとりが、つながって、世界になっているから。

それと。
孤独は大切だと思う。
言葉の大切さを気づかせてくれるから。
くらしはたくさんの言葉で溢れかえっているから、
言葉がないことがどれだけ悲しいかを忘れさせてしまう。

生まれてきたよ、ありがとう。
お腹から出てきたときに、言っとけばよかった。
もうしばらくは、恥ずかしくて言えそうもないから。

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