リレーコラムについて

大塚酔話。

赤間正毅

さて最終話です。街は大塚、と知ってピンとくる方はかなりの飲兵衛でらっしゃいますね。
元々は三業地、今でもその入り口にはしっかりと標識が出ています。
今では貴重な、伝統的江戸料理を再現する[なべ屋]、
ちょいと目ン玉飛び出しな寿司屋[高勢]なんてのが点在する、今も粋な通りですが、
まあ私にはご縁がなく、今回は別のお店のお話。

駅南口からすぐに[江戸一]というお店があります。
いまのところマスコミの取材拒否店だし、私もこれ以上ライバルが増えちゃ困るので
敢えてお店の所在地等の詳しい情報は避けますね。
とにかく混む店でして、5時の開店と同時にあっという間に席が埋ってしまいます。
一度台風が来た日に、今日は絶対空いているだろうと立寄ったら、
同じことを考えていた常連で満杯。みんなで大笑いしたこともあります。
あの[伊勢藤]同様お燗にこだわりと絶妙な技があり、
私の存じ上げない先代以来、三代続いて女将がお燗番を務めます。
ビールも出しますし、冷酒もあるけれど、やはりここでは燗がいいでしょう。
ウンチク日本酒を早くから導入した店として有名ですが、私の好みはもっぱら白鷹の樽。
この店もまた、マスコミでは時々「怖い店」として紹介されますが、
なんどかその場に遭遇した私に言わせりゃァ、すべて客のほうが悪いね。
馬鹿女が数人で、酒をほとんど飲まずだらだら居座ったり、
ベロベロに酔って入店し周りの客にからんだり、といったケースがほとんど。
その中で一番凄かったのは、吟醸酒をパカパカ空けていた客が勘定の段になり、
青ざめて女将さんに「ぼったくりだ、明細を書け!」と迫ったんですね。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、ここは算盤とお皿、徳利の絵柄で計算しますから
女将さんだっていちいち銘柄まで覚えていません。半分くらい書き出したところで
ぶち切れ、「御代は結構だから、出てってちょうだい!」となりました。
凄かったのは常連達で、弁明する件の客に「高い酒ばかり頼みやがったお前が悪い!」、
と口々にののしり、最後は塩を撒いて追い出してしまいました。ああ、面白かった(笑)
土曜日だけは昼から開けてくれ、と交渉しているのですが30分早まったのが限界でした。
昔は朝からやっていたそうなんですがねえ。

というわけで、私のパートはお終い。リレーのバトンは、私が今お世話になっている
電通テックきっての名コピーライター、上田哲郎さんにお渡しします。
この間、定期健診の結果が出まして、サンタルチヤな結果となりました。
しばらくおとなしくしなきゃ。

赤間正毅の過去のコラム一覧

1968 2007.06.01 大塚酔話。
1967 2007.05.31 新橋酔話。
1966 2007.05.30 浅草酔話。
1964 2007.05.30 神楽坂酔話。
1962 2007.05.28 築地酔話。
NO
年月日
名前
5772 2024.10.04 高崎卓馬 名前のない感情
5771 2024.10.03 高崎卓馬 母のひとりごと
5770 2024.10.02 高崎卓馬 批評と愛
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