リレーコラムについて

今年はイノシシの年なんだもの

井村光明

12日ともなると、まだ正月気分が抜けない、というか正月のことばっかりなコラムもいかがなものかとも思いますが、今日で最後だし、お正月気分でいかせて下さい
もしや読んでいただいてる方がいらっしゃったとしたら、お付き合いいただいてお疲れ様でした〜というかどうもありがとうございました

そんなヒマな正月、僕の心が一番動いたこと。
ヒマにまかせてチャリでぶらぶらしていたんですが、おなかもへって、高校の時柔道部で試合のあと必ず行った(親友が応援に来た時は除く)、広島センター街(というビル)7階のオアシスというカレー屋にひさしぶりに行ってみようと思ったらなくなっており、エスカレーターで降りがてら6階の紀伊国屋書店に寄った時のことです

この時期、大きな書店でよくやっている「カレンダー、手帳フェア」というのがここでもやっていました。
普段は絶対見ないのですが、あまりにヒマで見ていると。
「10年日記帳」というのを見つけてしまいました。
ものすごいショックでした。
みなさんは多分ご存知だっただろうと思うのですが、僕はこういうコーナーには絶対行かないので初めて見たのです。
というのも、僕は「日記」というものにトラウマがあります。
トラウマなので、ここに書くことはできないんですが 笑(←ちょっと無理に笑ってます)
いろいろあって、最終的には時間をかけた調査の結果ものすごく暗くなる事実がわかったりしました。
あんまりショックだったので、忘れることにしました。
気づかなかったことにしました。
なのでそれ以来、日記はもちろん手帳も持たなくなりました。
だからスケジュールも一切書きとめません。
覚えていられる範囲しか予定はいれないように、自然となっていきました。
仕事柄時間がよめないこともありますが、あまりはっきりと人と会う約束をしなくなったのはその影響もある気がします。仕事をたくさんできないのもそのせいかな? 笑(←ここは自然と笑っています)
自分のことを記録に残すことが怖くなったのです。
だから文房具店やそういうコーナーには近寄りたくありませんでした。

でも、昨日やおとついのコラムを読んだ方にはうすうすバレバレだと思うのですが、僕はどちらかというと思い出好き、というか思い出マニア。過去を振り返ることが大好きで後ろ向きの暗ーい好青年。
なので本当は日記とかつける行為はメンタリティのツボのど真ん中なのです。
でもミクシーのようにみんなに見せたいという気はまったくない、というか生理的にしたくないです。
なので今このコラムにこの話題を書いてる自分を不思議に思います。
「10年日記帳」は、そんな僕の中心をものすごく揺さぶりました。

「2007〜2016」という表紙をめくると、1ページが10年分の1日、つまりページが10列にわかれてて、
1月1日のページは上から2007年の列、2008年の列、と昨年の今日は何してたかとかすぐ解かる、というか比べられるようになっていました。しかも10年分。
昨日のコラムにも書きましたが、僕はわりと習慣行事好きな傾向があるので、このページのレイアウトを見た瞬間、あ〜もし俺が買ったら、元日は毎年あの神社の名前書いて、大晦日は毎年京都のサウナの名前書いて、12月30日は京都忘年会のメンツを書いて、22日照井誕生会のことを書くんだろ〜な〜10回も。いや、照井10年先までやってくんないかな? 、なあんてことを考えました。
ていうか、もし10年前に書きはじめてこの年末で書き終えたとして、それを読み返したらどんな感じだろう?元日や大晦日、毎年同じ日に同じことが書かれている一冊になったはず、笑っちゃうだろうなあと思いました。
でも、その他の日はどんなことを書いたんだろう
10年前、1997年。10年前から3年ほど前までの僕は暗ーーい時代でした。仕事もプライベートも何をしてもちっともうまくいかない。それなりに、こんどこそ!とがんばってたし、それはそれで忙しい毎日だったのですが、なんにも結果が出ない。(これは、ボクは人よりつらーい経験をしたかわいそうな子なんです、という意味ではありません、普通のうだつのあがらないサラリーマンのつぶやきです。)やっぱり悩んでて、仕事変わったほうがいいのかなと真剣にビーイングを買ったこともありました。勇気がなくて辞めれなかったけど。後で読んで楽しめるようなことなことなど、何ひとつ日記には書けなかったと思います。泣き言やうらみつらみばかり書いてたことでしょう 笑(しょう、とかけてます)。そういえば、毎年特記事項が無いのも思い出マニアとしてはくやしかったのか、長い有給をとって、海外のへんなとこに行くようになったのもこの頃からでした。

正直、最近はいろいろなラッキーなことが続き、いく分明るくあまり悩まず過ごせているので、そんな日記を読み返しても、あの頃つらかったよな〜泣くな俺、よしよし、と懐かしい位の気持ちで読めたかもしれません。
でも相変わらずついてなくて、暗いままの10年だったら、読み返しもせず、むしろ書くんじゃなかった、とより暗黒気分になってたのでしょうか。
あるいは、自分に対する言い訳のように、でも俺なりにがんばったよなあ〜と自己憐憫するような気持ちで読んだのでしょうか。

でも冷静に考えたら、細かい気持ちはどうであれ、僕の過去10年は一言でいうと、家から電車で田町の会社に行って夜中タクシーで家に帰って、一緒に遊ぶ男子や女子が微妙に変わっていったにすぎません。他の人が読んだとしたら、なにも変わってない10年間、ほぼ同じことしか書いてない日記帳と言えたはずです。いくら書いたって、後世司馬遼太郎とかに歴史小説にしてもらえることなどありゃしません 苦笑

とか、もし書いてたら〜と思うとそんなことを考えたんですが、そう考えつつ、実際その「10年日記帳」を手にしてる時の気分は全く違ったものでした。
昔、日記を何度か書いたときは、手帳とかに書いたので、いわば普通の1年日記帳。記録の延長なので、あとで読み返して過去を懐かしむモノ、という揺るがない概念だったのですが、ブ厚く10年先まで続く白い紙を見ていたら、ものすごい未来のモノのような感じがしたのです。
あたりまえのことをダラダラ書いてすんません。。
しかし、僕にとっては、「未来」ということをリアルに感じるのは中学生の頃以来のことだったので、衝撃でした。
思い出マニアの特性として、とかく過去を想うのが好きなので、どうも体質的に先のことには目がいかない、興味があまりない、考えたくない。考えるとしても、来年旅行はどこ行こうかなあ、程度。
昨今、僕の周りでも、仲の良いヤツが会社を辞めたりすることが頻繁に起こります。
新しい会社を自分で作って、イキイキとしてる人たち、もう決して珍しい一部のことではありません。
世の中の風潮もそうですし、飲みの席でそういう話にもよくなります。
僕はどうもそういうことは感覚としてよくわからないというか、ピンとこなくて、少なくとも自分にも関係あるものとはどうしても思うことがありませんでした。
しかし、過去のためのモノと決めつけてた日記帳を見て、なんだか僕も未来のことを考えたくなったのです。
なんかカーネギーの自己啓発教材みたいでキモいぞ俺!
でも、ものすごい当たり前のことって、やっぱり気づきにくいんだな〜なんて、僕にとってはものすごく大きな一歩。ヒマをつぶしてばかりいたこのお正月の、大きなお年玉だったとさ。

で、レジに持って行き、ブ厚い日記帳が毎日少しずつ、インクの量だけ重くなっています。
と書けばきれいですが、やっぱ現実はとりあえず買わずに帰りました〜
でもトラウマが少し軽くなったかも、やっぱりほら、ねえ、

公園でホームレスがぶつぶつ言ってるようなコラムにお付き合い頂いてありがとうございました!
さて、お正月気分も抜けたところで、前座は終わりだぜ!
来週は新春BIG放談、第一弾として、すごい人にダメ元でお願いしてみたら、なんとご快諾。
谷山広告の谷山雅計さんがCOMING NEXT!!
谷山さんは僕が新入社員の頃、直接のトレーナーではないですが、同じチームで、僕に広告とはなんであるかを最も教えていただいた方でありまして、勝手に師匠と仰がせて頂いております。
博報堂をお辞めになってからは、広告業界全体の先生、というか教授といった立場でご活躍されてるのは皆さんご存知の通りです。
てことは、広告界の坂本龍一ということか!?
実は僕は最初の頃、打ち合わせの企画出しで他の先輩たちに面白いといわれ、やった〜プレゼンに持ってってもらえるぞ!、という時に必ず谷山さんに「ここがこうこうこうだからダメ」とボツにされてしまうことが多く、えーーっきびしいなあ、てか他の人はいいって言ってんだから新人にチャンスをくれてもいいじゃん、、なんか俺にはいじわるな人だなあ〜 、と恐れ多くも思ってました。。。
でも、少しずつ仕事を覚えるにつれて、谷山さんに言ってもらったことの意味がわかるようになると、いかに親身に新人を育ててくださろうとしてたかその偉大さがわかったのです。それは尊敬へと変わり、いつしか愛になっていて、その気持ちをモノマネという行為で表現するようになりました。
ほんといつもすいませんです。。
ちなみに、前述の僕が何をやってもダメだった時代、谷山さんが僕につけてくれたコピーが、
「永遠の不発弾」
うーーん、さすがです!
お礼に僕も谷山さんのコピーを考えてみました
「TCCの幹事長!」
我ながら言いえて絶妙!しかも次期首相というニュアンスもあってヨイショも忘れてない!
2007年もキーポンロッキン!!

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