リレーコラムについて

黒歴史の公開処刑〈広告コント〉

原学人

本日で処刑3日目。

いや〜いくら過去の自分でも、自分を叩くって複雑な気持ちになるんですね…
ということで、今日で終わりにしようかと。
「最後に処刑台に送るのはおまえだー!!!!!」
って気持ちで自分の書いた小説を読み返してたら、不覚にもちょっとだけエモい気持ちになっちゃったものがあったんです。1mmも面白くないんですけどね、昔の俺がこんなことやってたんだって思って感心しちゃったんです。

それがこれ、「広告コント」。

(※あ、このコラム意味わからんって人はここから見てください)

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「広告コント」  原学人

 

「「ショートコント、広告」」

「あー。おれもうすぐ10代終わっちゃうよ。なのに、まだ童貞。早く卒業したいなー」
「童貞と天才は、十代の夏に捨てられる。(サントリー 「世界の有名画家」十代の作品展)」
「まじか!てか童貞以前に彼女いないんだよな。ハハハ。」
「彼女がほしい?その鼻毛で?(松下電工 鼻毛カッター)」
「そんなこというなよ〜お前はどうやって彼女つくったんだよ。教えてくれよ〜」
「「1本しか売ってなかった」と好きな子に嘘をついた。(ポカリスエット)」
「なるほどな。あとさーおれ、メガネのせいもあるよな。コンタクトにした方がいいかな?あだ名がメガネだと流石に彼女できないよね?」
「あなたのあだ名が「メガネ」なのは、そのメガネが似合っていないからです。(Zoff)」
「ひどいな、もう。でもおれ脱げばすごいんだぜ。鍛えてるからな。」
「あなたのヌードは、ちゃんとエッチですか。(マチス化粧品)」
「エロさも大事だもんな。まあ最悪さ、将来有名な会社行けばさ、女寄ってくるんだろ?女って簡単だよな。」
「仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。 (リクルート)」
「うわー。おまえはほんとまっすぐな人間だよな。」
「まっすぐの人間だから、よくぶつかる。(西武百貨店デパート)」
「よく分かんないけど、お前も苦労してるってことだよな。苦労といえばさ、おれもこの前好きな子に振られちゃったんだよ。男らしくガンガン近づいたんだけどさ。」
「愛してるなら1mmはなれて(コンドーム)」
「あーあ。全くひどい言われ様だな。もう死にたくなる…」
「生きろ。(もののけ姫)」

「「はい、ありがとうございました〜」」

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きっと小説に飽きたんですかね。

星新一風にがんばって描こうとしたSF。村上春樹の文体だけ真似したような文章。安部公房とかサリンジャーとかいろんな文学をつないだような形だけの小説・・・・そんな中にこれがあったんです。

もちろんコントとしてはひどい。だってそもそもコントなのに笑えるところないし。てかコントにする必然性ないし。会話の内容もコピー入れるための都合いい設定だし。どうせやるなら、ツッコミだけじゃなくてボケもすべてキャッチコピーにするくらい挑んでもいいと思うし。そうすればBOVAであったような曲名だけで会話してるやつみたいに、企画にはできたかもしれない(?)少なくともクリエイティブ局の宴会での出し物としては褒められるレベルにいけたかもしれない(?)

でも僕が感心したのは、「大学生の俺がコピーの勉強してる」ってこと・・・
これを書いたのは2015年1月。博報堂の内定もらって、入社課題とかに取り組んでる時期ですかね。
コピーライター興味あったけど、絶対なりたいってほどの気概があったわけでもないはずなのに、ちゃっかり勉強してるじゃないですか俺。
このコントに出てくるコピーって、ネットで「いいコピー」って調べると出てくるものなんです。
(ほんとこんな風に名作コピーを使ってすみません…)

まだ入社する前の自分が、いいコピーとはなにか勉強してるよ!!!!たぶんいいコピー調べてるうちに、コピーかっけえ!ってなって本格的に志望するようになったはずなので、ここでの検索が少なからず自分のコピーライター人生のきっかけになっている、と言っても過言ではない。

はぁ、大学生がコピー調べたときに出てくるようなコピー書きたいなあ。
そのコピー見て、コピーライターってかっこいいじゃん!って思ってもらえるコピー書きたいなあ。

あれ、なんか黒歴史から刺激をもらっちゃってるんだけど…
そういう企画のコラムではないので、ちゃんと処刑します。
えー被告人「広告コント」さんは、企画は悪くないけど中身は何も面白くない罪で、懲役15年に処す。

はい、死刑にはしませんでした。(刺激もらったし)

ということで、黒歴史の公開処刑コーナーは終了。
来週は、TCC同期の中野ほのさんにバトンを渡したいと思います。
なんと中野さんは、リレーコラムとは何かも知らずに快諾してくださった天使です!

今から楽しみにしています。よろしくお願いします。

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