リレーコラムについて

社長になってみる、と言う実験。

戸部二実

今週は、コピーライターのいろんな可能性について書く予定の戸部です。今日は、社長になってみる!という実験を私が始めた顛末について。そのきっかけの一つが昨日、ご紹介した事業の中で使われるコトバの価値を目にしたこと。見えないところで誰かの気持ちの柱になるような仕事って面白そう!と思ったから。
 そして、その時、会社をやろうと閃きました。社員を雇い、いわゆる経営をしてみるのです。
 それと言うのも、事業に関わるコトバを考えるなら、自分も経営に塗れてみないとわからない。これまでも、経営や組織の悩みを耳にしてきたけれど、心の底から理解・共感は難しかった。なら、体感するとどうなのか、とても興味が湧いたんです。
 そんなわけで、2年もすると社員が数人、集まりチームの体を成し。やがて、5年6年と経つうちに「あー、これこれ、この感覚か」「うう、今月もクリエーティブなことより売上の問題に立ち向かっている」とリアルな悩みが重くのしかかってきました。もちろん、対峙しているクライアントの社長と比べると、私のレベルはとても低いのですが、以前よりは共通感覚が持てるように。
 社長のお悩みが自分ごととして掴めてくると、ますます新しい考え方や仕掛け方、コミュニケーションの流れを変えることで、問題を解決できたら面白い。それができたら、ITとかデジタルとは違う意味の発明になるんじゃないのか?などと途方もないことを考えるように。
 ところで、この話、どの辺がコピーライターの新たな使い道?なのと思われましたよね。そう、こんな仕事のシーンで使うコピー脳は、書くより「話す」の方です。もちろん社長の話をじっくり聞き引き出すことは前提。その上で、社内のもろもろな出来事ごとを、さらっと言葉にしたりすると、キラリお客さまの瞳が輝きます。さらに、ざっくばらんなお客様にはカジュアルでおもしろ可笑しく例えてみたり。真面目なお客様には、少しお澄ましの表現で、目指すビジョンや課題や社内の困った空気なんぞを言葉として整理してみる。
 こんな瞬間に、コピーライター遍歴が役に立つのです。
 人って誰かが自分の鏡になって、思うこと見えることを差し出してくれると思考が進むもの。こんな時に、言葉の修行を積んできてよかったな、と実感します。
 あ、とはいえ経営の問題をカラッと気持ちよく解決する、魔法なコミュニケーションの発明は、まだ道半ばの私です。

明日は、コピーライターを製造するコピーライターのテーマで、書いてみたいと思います。うまく書けるかな・・。

あ、ちなみにうちの会社のURLです。
https://carab.jp/

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