リレーコラムについて

小学校における経済圏の話

佐藤一貴

どうも、佐藤です。

 

怒られることが嫌いですが

お金は好きです。

 

物欲はないのですが、

稼ぐ仕組みが好きです。

 

今日はそんなエピソードをひとつ。

 

小学生の頃、

Kくんという友達がいました。

 

彼は相当にアイデアマンでして、

「ホーホー軍団」という団体を立ち上げました。

 

何かというと、

小学校にオリジナルの通貨概念を持ち込んだのです。

 

例えば、

折り紙で作ったメンコとか、

フェルトで作ったキーホルダーとか、

 

みんなが作った物品を

“ホーホー”という通貨を使って売買できる経済を構築したのです。

(その会のオリキャラはフクロウをモチーフにしていたところから、ホーホーという名前でした。)

 

みんな何を売るか、

それぞれの家にある資材を使って

いろんな手作りグッズをせっせと作って楽しんでいました。

 

僕も考えました。

どうしたら安定して収入を作れるか。

だけど妙案が思いつきません。

 

というのも、

みんな友達がつくるものなんて

自分でも大抵同じものが作れるので

よっぽどオリジナリティがないと売れないんですよね。

 

で、僕がたどり着いた結論は・・・

銀行役をかって出ることでした。

 

軍団の長であるKくんから

直発注で仕事をもらったのです。

 

独自通貨”ホーホー”は

イラストと単位が印刷された紙に、

紋章としてラメが塗ってあるものでした。

(印刷はKくんがしていました。)

 

なので必然、

裁断作業とラメを塗る作業が発生するんですよね。

 

確実になくならない仕事で、かつ独占事業にできる

そんなところに目をつけた僕は、

国(Kくん)と事業契約を結ぶのでした。

 

家に帰っては、

ひたすら、紙幣を切り取り

ラメを塗り込む日々。

 

他の子はせっせと売れない商品を作る中、

僕は国から直に発注をもらうことで

毎日着実に財をなしていきました。

 

周りの小学生が

様々な創意工夫を凝らす中、

なんて面白くない子どもだったのかと

今になれば思います。

 

ただひとつ、

佐藤少年を庇うとすると、

彼はただ主に取り入っただけではありませんでした。

 

紙幣生産に飽きた彼は

空前絶後のヒット商品

ボクシンググローブを開発したのです。

 

新聞紙で拳をかたどり

赤のビニールテープでグルグル巻きにする。

 

装着すると、

パンチする方もされた方も

双方が痛みを感じないこの商品は

小学生の間で空前絶後の大ヒット。

 

売れすぎた結果、

クラスの半数ほどが着用する事態に。

おかげでボクシンググローブは先生に見つかり、

教師陣当局の調査が入った結果、

ホーホー軍団は永久活動禁止に追い込まれ、その歴史に幕をおろしたのでした。

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