リレーコラムについて

コピーライターとは、素晴らしい職業である。

米村大介

リレーコラム最終日にして、

あいつタイトルで大スベリしたな・・・と言われそうな、

行き過ぎたタイトルだ。

 

言い過ぎたか。。。かえって嘘っぽく聞こえる。。。

でも、そうかもしれない、とも、最近、ふとしたときに思うのです。

だから、言っておかなきゃと、思った。

今はそうじゃないにしても、未来、近いうちに、そうなる。(ことを信じて)

 

あと、言っておかないと、コピーライターになりたい人も、

採用枠も、どんどん減っているような、気がするんだもーん。。。

 

「コピーライター」が、なりたい職業ランキング1位になる日まで。

(これをタイトルにしようとしたけれど、さすがに炎上しそうでやめました)

 

 

 

ぼくが今、一番会いたい人は、やっぱ、大谷翔平選手。

 

彼から学ぶことは山ほどあるが、中でも二つ取り上げるなら、

 

ひとつは、

 

「為せば成る」

 

ということだ。

 

ほんの10年、さかのぼればいい。いや、5年か。

野球を知っている人ほど、野球に詳しい人ほど、

二刀流を薦める人はいなかった。

 

「一流の選手をめざすのなら、どちらかに絞ったほうがいい」

「160km投げれる人はそういない。やはりピッチャーだ」

「ケガを考えると、打者に集中したほうがいいのではないか」

 

日本では、高校野球までは、「エースで4番」という優秀な選手があちこちにいる。

そんな選手を呼んで、大人はこう諭すだろう。

 

「まぁ座れ。一流の選手になりたかったら、打者か投手か、どちらかを選べ。

二兎を追うものは一兎も得ずだ」

 

ここで話は一転。

ある子どもが、「コピーライターになりたい」と突然言ったとする。

そんな子どもに向かって、大人はこう諭すだろう。

 

「まぁ座れ。コピーライターだかジッポライターだか知らんが、

不安定な時代だ。安定した職業に就け。カタカナ商売は安定しない」

 

ちなみに、ぼくが親に言われた原文はこうだけど、、、。

 

「にゃーーん!あんたにそんな才能、あっばすっごて!私が一番知っとる!

子どもんときから、絵も下手くそ、字も下手くそ、何をやっても続かんたい!」

 

ぐうの音もでないほどその通りで、子どもの時から絵も描けず、習字もできず、

音楽幼稚園に行ったけどピアノも続かず、本も読んだことがなく国語が大の苦手だった。

(ちなみに今だって絵も字も国宝級に下手くそである)

 

そもそも親に相談する気などさらさらなかったので、、、

そのとき熊本に住んでいたぼくは、

せっせとパチンコ屋に並び、学費と交通費をパチンコで稼ぎ、

福岡の宣伝会議コピーライター養成講座に通っていたわけだ。

 

 

大谷翔平選手の話に戻ろう。

 

彼はありがたい諸先輩方のアドバイスを敬意を持って聞きながら、

自分の意志を貫いた。結果を出し続け、世の中を歓喜させ、うるさい解説者も黙らせた。

 

「為せば成る」

 

を、まさに体現している。

 

 

もうひとつ、学んだこと。

 

これは彼からだけではないけれど、ぼくが常に大事だと考えている時間。

 

あえて、わかりにくい例えをすると、、、

 

ドラクエでいうところの

 

「大きく息を吸い込んだ」

 

の時間だ。

 

「ちからをためている」

 

のときもある。

 

要は、次の攻撃力を上げるため、

そのターンは次の準備期間にあてる、という時間だ。

 

なんと言えば、正しいんでしょうね。

「反撃の前の、準備期間」という感じか。。。

 

大谷翔平選手で言えば、トミージョン手術をした後の一年。

ここで二刀流に耐えられる、体をつくれたのだと思う。

 

ぼくは昔の千葉ロッテマリーンズのコピー、

「あなた達が話題を作っていた頃、

ぼくたちは黙々とカラダを作っていました」

が大好きで、そうそうそれそれ、その気持ち、と思ってしまう。

 

棋士の藤井聡太さんで言えば、コロナで対局できないときに、

AIと向き合った時間が、その後の強さを生んだのでは、と踏んでいる。

 

でもやはり、アスリート全般に言えることは、大怪我をして、大手術をしたあとの時間。

アスリートに戻れるかうんぬんの前に、歩けるのか?社会で生きていけるか?の絶望に落ちるときがある。

だけど、そのときに、身を持って感じられるのが「感謝」だと思う。

 

なんで、そう思うかというと、ぼくも同じような経験をしたことがあるから。

長い入院を何度も経験してきた。退院して、リハビリして、社会に戻るとき、

いつも、ドラクエのレベルが上がったときの効果音が鳴っていた。

 

ある時は、立てない、歩けない時期があり、元に戻った。

ある時は、目が見えない時期があり、元に戻った。

ある時は、何も食べられない時期があり、元に戻った。

 

今にして思えば、苦しかったけど、

あのときの、狭くて白いベッドで過ごした時間が、今を支えているのかもしれない。

 

そのときに、自分に誓ったのは、

「またいつか、白い天井を見つめつづける日が来るかもしれない。そのとき、後悔しない人生を送ろう」と。

 

大学生のときだ。

お見舞いに見てくれてた友達が就活中で「コピーライターにはなるには?」みたいな本を読んでいた。

大学を辞めて働くつもりのぼくは、退院してしばらく手足が不自由で働けなくなり、右手しか動かないから、

パチンコとスロットで稼ぎ、養成講座に通い、その後、コピーライターになった。

(友達は就活を挫折して、パチプロになった。今もなお続いてるのがスゴイ。尊敬してる。いいやつです)

 

 

だんだん、「・・・で、結局、何が言いたいんだよ!」となってきてる気がするので、

強引に話を戻します。(ほっとくと、大谷翔平の話しかしないので)

 

 

コピーライターとは、素晴らしい職業である。

 

これだけは言えるのは、コピーライターって、面白い人が多いし、

なぜかなーと思うほど、長いことやってる人多いし、(ぼくもそうだけど)

あの人と会いたい!と言い続けていたら、なぜか会えたりするし、

いろんな職種に触れられてめちゃ勉強になるし、あー、学ぶって楽しいんだー、って

大人になって初めて気づいたし、絵も下手くそ、字も下手くそ、

受験勉強もしてないチャランポランなぼくを成長させてくれる職業です。

 

 

昔、福岡の宣伝会議養成講座の生徒募集のコピーでこういうのがありました。

 

「コピーライターに向いてるのは、ふつうの人。」

 

ぼくが尊敬するコピーライターの一人の方が書いたコピーです。(師匠ではありません)

 

ほんと、そうだよな、っていつも思います。

 

あと、僕が思う向いてる人をいくつか。

 

・負けず嫌いな人。向いてます。(あきらめが悪い人、しぶとい人も)

 

・ミーハーな人。向いてます。(好奇心の塊の人。近くにいつもいてほしいです)

 

・文化祭が好きな人。向いてます。(毎日が文化祭です。人を楽しませるために努力を惜しまない)

 

・文章を書くのが苦手な人。向いてます。(広告は読まれない。その前提をいつも持ってるのは強い。ぼくもそうです)

 

・文章を書くのが好きな人。向いてます。(書いても書いても好きだから書く人は強い。魚のようにコピーを書ける)

 

・食べるのが好きな人。向いてます。(理屈じゃないです。本質がそこにあったり、モチベーションになったりします)

 

・ものまねが好きな人。向いてます。(人間観察好きな人。上手かどうかより愛されるかどうかが大事です)

 

ほんとはもう少しありますが、このへんで。。。

 

 

とにかく!

 

嘘かもしれない、三度目の正直。

 

 

コピーライターとは、素晴らしい職業である。

 

 

 

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思いのほか、長くなってしまいました、すいません。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

 

来週のリレーコラムは、門田陽(あきら)さんです。

 

僕の師匠であり、なんというか、親みたいな人です。

学生の時に通っていた福岡の養成講座の先生であり、

今も東京で一緒に仕事してるので、もう20年以上の付き合いですね。

バトンを受けたときから、次の渡す相手は決めてました。

第三走者の気持ちで、次につなぐぞーという思いで書いていました。

が、、、意外にバトンは重かった。くまのトロフィーのように重かった。

最後のコラムがついつい長くなったのは、ゴールが見えてきたから。

ラストスパートするマラソンランナーのような気持ちです。

 

って思ってたら、門田さん。こんなタイミングでパソコンが壊れたとかなんだとか。

 

心配でしかないですが、とりあえずバトンを渡します。

 

みなさん、来週のリレーコラムを、お楽しみに!

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