リレーコラムについて

ふつうの人の名言「真似されるのはいい。するのはイヤだけど」

日比野鮎子

こんにちは、詩人の娘の日比野鮎子と申します。2008年会員です。
リレーコラム、ずっと書いてみたかったのに、回って来ずに15年も経過してしまいました。今回、バトンをもらえてとても嬉しいです。梅田大輔さん、本当にありがとうございます。

今年、2023年の4月に独立して、晴れて名刺に「コピーライター」と書きました。より一層「言葉に敏感」に生きていかなければと思う一方で、「でもコピーライターなんかではない普通の人も、名言を残したりするよなあ」と思うことがあります。

今回、このリレーコラムの機会を、「私が聞いたふつうの人の名言」の紹介に当ててみようと思います。家族や友人などの、たった一言が忘れられないとか、支えになっているとか。そういうものを、書いてみたいと思います。言った本人はほぼ100%忘れているんですけどね。

せっかく(詩人の)父について梅田さんが紹介してくれたのに、父の名言については何も思い浮かびませんでした。ごめんなさい、お父さん…。金曜日までに詩集を読み返そうと思います。

初回の今日は、高校時代の親友、アヤちゃんの名言をご紹介します。

 

「真似されるのはいい。するのはイヤだけど」

 

アヤちゃんは高校の中でも随一の尖った女の子で、まだ誰もかけていないようなパーマをかけたり、ロリータ服を持っていたり、そんなセンスを私は尊敬していました。ある時アヤちゃんが、高校生でも使えるナチュラルなコスメについて「最近、生協で売ってる『ちふれ』の眉ペンが結構いい」と言っていました。私はコスメには疎かったので「それ、私も買ってみてもいい?」と聞きました。その時に言われた一言です。「別にいいよ。真似されるのはいい。するのはイヤだけど」

私はいわゆる氷河期世代・ロスジェネで、「世界にひとつだけの花」の世代だと言われることもあります。そもそもSMAP自体が、その後に出てきた嵐に比べると、調和よりも個を大事にしたグループであった気がします。「誰かと同じはイヤだ」という気持ちは、高校生の頃からずっと持っていますが、今もあの時のアヤちゃんほど清々しく言い切れるか?というと、甚だ疑問です。

5年ほど前に同窓会で会ったアヤちゃんは、他の参加者とは違う雰囲気の個性的な服を着ていました。そうやって変わらずにいることはとても難しいと、私も大人になって痛感しているので、嬉しかったです。彼女のように、自分の「カッコいい」は自分で決めて、生きていきたいと思います。

 

 

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