リレーコラムについて

「書くことは、しあわせ」

坂本和加

物心ついた頃、書いて食べていくんだろうなあ。

という予感めいた、ぼんやりしたものがあった。

 

食べていくために選んだコピーライターという仕事だけど、

いまは生きてる!と思う。この活動は私にとって

まるで呼吸のように、とてもしぜんなことだ。

仕事をやりすぎちゃったと思う。

なんだそうだったんだ!というところまで突き詰めた。

馬鹿にされてもだいじょうぶ。実感したのは私だから。

 

もう昔のように、頭がちぎれるまで考え抜いて

それでも気に入ったのが出ない、なんてこともなくなった。

とっくに納品したのに、もっとこうすればよかったと

延々と試行錯誤、なんてことももうない。

 

正解はいつも相手が知っている。

私は思いをトレース、していくだけだから。

まさに「コピー」ライティングだ。

 

若い人には私が苦労したぶんラクしてねと思うので、

コピーを書くのに自分を出すな。が正解と思う。

 

クライアントは何かを売ることでブランドをつくっている。

その表現は、誰がやっても

「同じ」にならなくてはと思うから。

そうでなくてはブランドじゃない。

 

もちろんこれは私の「ひとつの」見解でしかない。

 

民芸や織物などに見る、フォークロア。

”名もなきひとの”美しい仕事が好きだから

そう思うのかもしれない。

いつかどこかで「誰か」が見つけた知恵や工夫は、

ひとりじめなどされるはずもなく口伝で共有されて、

きっと、わいわいにぎやかに広まった。

そこに日本人の利他重視の精神性の高さ謙虚さ尊さがあると思う。

コピーも。私はそういうのが好きです。

 

丑の日、バレンタイン、恵方巻き。

に次ぐ日本文化をつくってみたいなあとか。

ネーミングとロゴデザインを

商標とるときにサブスクにしたら平和よねとか(法改正がいる)。

私たちが続いていくための野望はいくつか。

でもまだ何もできてない・・・。

 

コロナになって、広告もまたわりと不要不急で。

いろいろへこんだけれど。

希望とか、ありたい未来なんかも、

言葉はつくっていけるのだと、くり返し思い出す。

 

 

 

***

最後なのでまた宣伝です。

買ってちょ!アレを。

 

1週間ありがとうございました〜

来週からは一倉さんが走ります☆

 

 

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