リレーコラムについて

職場怪談② ~招かざるコピー~

堀内有為子

これは私の上司から
聞いた話なんですが、
あなたも体験するかもしれません。

残暑厳しい9月のある日、
別件が押した彼は、クライアントのロビーに
約束の時間ギリギリで到着したそうです。

「企画書、大丈夫か」

うなずく後輩と
速足で会議室へ向かうと
もうクライアントは揃っていて雑談中。

汗を拭きながら
コピーを説明しはじめました。

提案は順調に進み、
セレクトしたコピーは
これで最後のはずだけど…

やだなぁ~
こわいなぁ~
なんだろうなぁ~

まだ数ページ残っていたんです。
恐る恐るページをめくると
そこには見たこともないコピーが…

冷汗がファーッと吹き出してきた。

横を見ると後輩が
まっすぐこっちを見つめ
声に出さず口を動かしている。

タ・シ・ト・キ・マ・シ・タ

勘弁してくれよぉ~

 

 

その後輩は

ワ・タ・シ・デ・ス

ごめんなさい
ごめんなさい

 

 

その後、上司のチェックは念入りになり、
妖怪タシトキマシタは絶滅してしまいましたが、
数年後、上司にコピーのバリエーションをお願いする
妖怪タシテクダサイが出没するようになったとか。

NO
年月日
名前
6005 2025.11.26 安達岳 つくっている人の前で、つくっている人だよ。って言えるようになりたい。
6004 2025.11.25 安達岳 大きな声
6003 2025.11.21 水野百合江 趣味が高じて
6002 2025.11.20 水野百合江 いや、めっちゃわかる
6001 2025.11.19 水野百合江 おすわり、待て
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