リレーコラムについて

空にむかって。ありがとうございました。

吉田早苗

TCCの新人賞をいただいた5本の新聞広告。

そのアートディレクターだった、

コミュニケーションアーツ・アールの吉田臣さん。

臣さんは、へそ曲がりな部分がとっても魅力的で、パッと仕事場から消えて

次に登場するときにはちょっとクシャクシャの紙にラフが出来ていました。

 

そもそも応募作品を揃えるために

「これ、サナエちゃんが書けば?」と、いつもそれとなく

仕事を振ってくれた、コピーのお師匠、岩崎俊一さん。

印刷された仕事が1本もなく、原稿用紙にB5の鉛筆で書いた

コピーを丹念に見てくださって、その後

コミュニケーションアーツ・アールに入るきっかけをくれました。

 

日本デザインセンター、コミュニケーションアーツ・アールの創設者で

クリエイティブの面白がり方、日々の楽しみ方、暮らし方を見せてくださった、

CDであり、ADであり、イラストレーターの山城隆一先生。

生誕100周年記念「猫のいる風景」(駒草出版)で改めて作品に触れると

先生が絵を描いている同じ空間で仕事をしていたという時間が

どれほど貴重で贅沢だったかと沁みます。

 

22年間、さまざまな仕事をごいっしょした久保丹さん。

「アドバタイジングではなく、コミュニケーションを考えましょう。」

「キャッチコピーじゃなく、企画を牽引するキーワードを探しましょう。」

「広告はまなざし。相手の顔を真っ直ぐに見て、尊敬する気持ちが大切です。」

「積立貯金になる広告をつくりましょう。」

大きなフレームや傘のつくり方をずっとずっと教えてくれました。

 

大切なひとにもう会えないのは、さびしい。

途方に暮れるときがあります。

それぞれに、ほんとうにいっぱい、いっぱい、いっしょにごはんを食べました。

教えてくださった豊かな世界のバトンを、だれにも渡せていない気がします。

これからでも遅くないと、バトンを持ち直します。

そして、誰にもちゃんとお礼を言っていない。

感謝の気持ちを伝えたことがない。

後悔してもしきれない。

ありがとうございました。ごちそうさまでした。

 

追伸、

3回目のリレーコラムで、コラム登場はこれが最後かなと。

クリエイティブのこころを、根っこのところを育ててくださった恩師に

この場を借りて、ちゃんとお礼を言っておかなくちゃと思ったのでした。

NO
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