リレーコラムについて

好きなことがなくても、食べていきましょう

小野麻利江

小野です。

前回は、大好きな米田さんのコピーについて

書き散らかしましたが、

実は、「自分はコレが激しく好き!」という情熱を

ほとんど持てずに生きてきた人間です。

 

広告業界、多いですよね。

ロックが好き。ヒップホップが好き。EDMが好き。

サッカーが好き。野球が好き。サーフィンが好き。

アイドルが好き。お笑いが好き。アニメが好き。etc.

「コレのことなら任せろ!」というブランディングとともに、

自分の「好き」を仕事にしていく先輩・同輩・後輩たち。

 

昨今、多くの人が「好きなもの・こと」で繋がり

ビジネスチャンスもそういう所に生まれがちですし、

好きなものが分かりやすいと、キャラ立ちしますよね。

(キャラ立ち・・・好きな言葉じゃないけど)

 

そういう人々がもてはやされる現場に直面すると、

「自分もなにか、激しく好きなジャンルを持ったほうがいいのかなぁ」

という、空気&コンプレックスを感じるんですが、

以下の理由で尻込みしたまま、部屋の隅で震えていました。

 

①そもそも、自分が好きになるものに自信が持てない

(自分が好きなメロディーライン、イケてる人からすると絶対ダサい・・・

という強迫観念がある。その他のジャンルについても同様)

 

②自分がおすすめしたものを、他の人がハマってくれた成功体験が少ない

(その割に、借りパクは多いんだよなぁ・・・関係ないけど)

 

③「コレに時間かけても、誰かの共感を得られるかな?」とすぐ冷静になってしまい、

加えて、35歳を超えて、ただ何もせず寝ていたい。

(本当の「好き」にはそういう損得勘定、無い筈ですけどね)

 

④「●●好きなんですよー」と言うと「じゃ、▲▲見た?」と返されて、

前述の③によるツケが来て、大抵そこまで掘れてないのが露呈するので、言いたくない

(特に「映画好き」「ジャズ好き」とは目を合わせないようにしています)

 

⑤以上4つの理由から「好き」を流暢に語れず、結果つまらなそうな語りになり、

その場が明らかに白けた経験、多数

 

 

つらいです。私だって、何かを堂々と愛したいですマジで。

 

(ちなみに、上記を挙げながら、

「人間に興味はあるが、あまり好きではない」

「長時間関わっていると疲れるので、他人と一定の距離を置きたい」

「寂しさを感じない程度に孤独でいたい」

といった地味に面倒な性質が、根本的な原因だな・・・と、徐々に気づきました)

 

 

でも、好きなもの・ことがなくても

面白い仕事に関われるし、

「好き」を起点にした仕事にも関われる!と言いたい。

 

そのために私が編み出したのが、以下です。

 

・「好きなことがあって滅茶苦茶楽しそうな他人」を研究し、なりきる

心の中で「他人のコスプレ」をします。

他人の「好き」を借りれば、「知見が足りていない」等の理由で

自分が傷つくことはありません。

コピーや企画で培った想像力・妄想力が役に立ちます。

 

・「好きなことがあって滅茶苦茶楽しそうな他人」に仕事をもらう

こういう人の周りには仕事のチャンスが転がっているので、

上記の「他人をコスプレする能力」を使って、チームへの貢献を目指します。

 

そして、他力本願以外の手法で言うと・・・

 

・「自分の中でゆずれないこと・嫌いなこと」を、なるべく面白く語れるようにする:

加点からではなく、減点からの自分探しを行います。

ただし、「嫌いなこと」をそのまま出すと聞いてくれる人がつらいので、

なるべく面白く表現するように心がけています。

コピーや企画を世の中に伝わる表現にする際の、「磨く力」を活用します。

 

以上、文字にすると気持ち悪いうえ

別に偉そうにお伝えする内容でもないのですが、

 

もし私と同じように、

好きなことに出会えず、好きなことを語るのが恥ずかしい。

そんな慎み深い人がいたら。

 

「他人のコスプレ」をしたり、「自分の中でゆずれないこと」を北極星にしたりして、

 

好きなことがなくても、食べて!生きて!!いきましょう!!!

 

そんな気持ちを叫びたくて、今日のコラムを書きました。

 

 

 

なんだかビジネス書みたいになっちゃって、すみません。

 

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