リレーコラムについて

夏休みの自由研究と哲学対話

上島史朗

リレーコラムも、金曜日になりました。

 

ギリギリまで何を書けばいいんだろう…と思っていた僕に、
勇気をくれるような記事が、朝日新聞にありました。
岩手県の小学生6年生の子の夏休みの自由研究が話題になった、というものです。

その自由研究のタイトルは、

 

「宿題をさいごの日まで残しておいた時の家族と自分の反応」

 

です。

 

夏休み前半〜中盤までは、

夏休みが楽しくて宿題どころではなかったそうです。

 

しかし、19日〜22日目には、

「次第に夏休みがおわるというきょうふがぼくの心にめばえ始めてきた」。

 

残り3日になってからは、先生に怒られる夢を見て、

冷や汗が止まらなくなったそうです。

 

・・・わかるなあ。

 

翌日に家族に伝え、その反応を記録していきますが、
最終的には、「そもそも宿題とは、何のためにあるのか。
ぼくは、何のために生きているのか。(中略)なぜ人は争うのか。」

という問いかけが生まれてゆきます。

 

こうなってくるともはや哲学です。

 

(詳しい内容は記事をどうぞ。)

 

哲学といえば、会社で「哲学対話」というものを行いました。
哲学研究者・哲学対話プラクティショナーの永井玲衣さんをお招きして、
ランダムに選ばれた10人ぐらいのメンバーが、

その場で「哲学」について、「対話」を行います。

 

哲学?どうやって?
と、最初は僕も戸惑ったのですが、
哲学とは「問いかけること」であり、
「哲学対話」とはみんなで一緒になって、問いを立てて対話すること。
永井さんの丁寧で軽やかな進行で、

気がつけばメンバー同士、あれこれ夢中で「哲学」をしています。

 

あるチームは、「人はなぜ小説の中で殺人事件を扱うのだろう」
というテーマで哲学対話をしていました。
ミステリが好きな僕は、たぶん年間で10人以上の
殺人現場に出くわしています(小説の中で)。

言われてみれば、なんでなんだろう・・。

 

次女が通う幼稚園には、日曜日の教会学校があります。
僕も、長女の頃からもう4年ぐらい通っています。
先日、親向けの日曜礼拝で、
先生が旧約聖書の「カインとアベル」について話してくれました。
弟アベルに嫉妬した兄カインは、弟を殺してしまいます。
人類初めての、殺人事件。

礼拝を聴きながら、僕はクラクラしました。

 

僕が参加したグループの哲学対話の中で面白かったのは、
「スポーツはなぜ人を喜ばせるのか?」という問いでした。
もう少し丁寧に言うと、
「野球は、棒とボールを扱うことが上手い、ということがなぜ人に喜ばれるのか?」
「ゴルフは、穴にボールを入れることがなぜ人を魅了するのか?」
という疑問を抱いたメンバーがいたのです。
そんなこと、考えたことありませんよね?
スキーを愛する僕ならば、
「二本の板で斜面を滑走することが、どうして面白く、特にヨーロッパでは国民的関心事になりうるのか?」

という問いかもしれません。

 

冬が来るたびに何本も、何本も、夢中になって滑っていた僕としては、
「そこに理由なんかなかったぜ」と言いたいところですが、
「なぜ?」を大事にしながら考えてみると、それは
「スキーの魅力とは、重力という、誰もが平等に背負うものに対する、愛しき反抗にあるから。」

なんじゃないなあと思いました。

 

地球に住む限り、重力には誰も逆らえません。
でも、スキーをしている時だけは、重力を利用しながら、地球に対して美しい弧を描くことができます。
これは、ある意味で重力への反抗なんじゃないか。
「愛しき反抗」とは、僕の好きなデヴィッド・ボウイの曲「Rebel Rebel」の和訳ですが、
重力を全否定するのではなく、上手に、自由に、つきあう感じは、

まさに「愛しき反抗」なんじゃないかと思いました。

 

・・・・

 

来週からは、頼れる同僚にして、熱烈なアルビレックス新潟サポーターの
淺井勇樹さんにバトンを渡します。
コロナ禍、雑談が減り、対話することすら減ってしまうんじゃないかという時に、
「哲学対話」をやりましょうと発案してくれたのも淺井さんでした。
おかげで僕は、スキーと地球についてグルグルと考える日々が続いています。

それでは淺井さん、よろしくお願いしますー。

 

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