リレーコラムについて

吉兼睦子は静かに暮らしたい

吉兼啓介

吉兼睦子(よしかねむつこ)は90歳を超えている。
僕のばあちゃんが、いまだに元気だという証拠は、
デイケアサービスで詠んだ俳句である。

「女盛り 散るのも忘れ 今日も咲き」

未だに赤い実がはじけている吉兼睦子の旧姓は「神尾」。
つまり、結婚するまで神尾睦子だった。
つまり、紙おむつ子だったのだ。

さぞや恥ずかしい思春期だったろうと思い、
いろいろ調べていくうちに、僕は驚くべき事実を突き止めた。
親戚や家族にすら、このことは言っていない。

なんと、
神尾睦子が生まれた1930年には
紙おむつはまだ存在していなかったのだ。
紙おむつが日本で発売されたのは1950年代後半。
神尾睦子が結婚したのは1955年。
紙おむつの出現の直前に、
神尾睦子は逃げるように結婚し、姓を変え
吉兼睦子になっていたのだ。

もし、結婚前の神尾睦子が現代に生きていたら。
結婚するときに名字を変えただろうか。
先日の都知事選挙のとき、
選択的夫婦別姓のニュースを見てふとそんなことを思いました。
NO
年月日
名前
6119 2026.06.08 小出ななみ ずくよ出ろ。
6118 2026.06.06 小出ななみ 留守番電話の行方。
6117 2026.06.04 小出ななみ 語呂合わせ、しあわせ。
6116 2026.06.02 小出ななみ 夫とネーミング競合。
6116 2026.05.29 エピローグ
  • 年  月から   年  月まで