リレーコラムについて

伝説のスピーチ

鈴木宏明

求人広告でがんばる人たちに
役立つ情報を、と月曜に宣言しましたが、
2日しか持ちませんでした。
ネタ切れなので、今日は何の役にも
立たない話を。

リクルートの代理店各社は、3ヶ月に一度、
一堂に会するイベントがあります。
おもに優秀な成績をおさめた営業マン個人や
会社が表彰されるイベントなのですが、
クリエイティブに光が当たるパートも
用意されてます。リクルートが主催する
アワードで1位を獲ったクリエイターが
褒め称えられるのです。

ただ、お偉いさんからの表彰状の授与や
受賞スピーチがある営業とちがい、
クリエーターはただ壇上にあがって
紹介されるだけ。ものすごい格差です。

でも実は、遡ること7〜8年前?
までは、クリエイターも、
営業と同じような待遇を受けていたのです。

なぜそれがなくなったのか。
諸説ありますが、その一因は、僕と、
僕の仲間にある説がありまして。

たぶん8年か9年くらい前。
その日のイベントでは、3人のクリエーターが
表彰されることになってました。
僕と、M田くん、T澤さん。
M田くんとT澤さんはよその会社の人ですが、
何かと顔を合わせることも多く、
仲良くしてました。で、壇上に上がる数分前。
僕たちは、こんな話をしたのです。

「全員、下ネタでスピーチしよう」

代理店各社の社長も出席する、
わりとオフィシャルな催しであり、
出席者の半分は女性です。下ネタと言っても、
TPOをわきまえたバランス感覚が求められます。

小心者の僕は、ギリギリ下ネタとも言えなくはない、
くらいのたいして面白くないスピーチで
お茶を濁しました。ま、こういう場だし、
こんなもんだよね、と心の中で言い訳しながら。

ところが、僕のあとに登場したT澤さんは、
鋼のメンタルの持ち主でした。
彼は「大人の理屈なんてクソ食らえ!」
といわんばかりに、ものすごいスピーチを
展開しました。

詳しい内容は省きますが、彼は、2分くらいの
持ち時間のあいだ、ひたすら「チ○コ」を
連呼したのです。まくしたてるような口調で。
痺れました。憧れました。
1000人くらいの群衆を前に日和った自分が
情けなくなりました。やはり、やるからには、
やり切らなければ。そう痛感しました。

そのイベントからしばらくしたころ、
風の噂で、T澤さんは始末書を書かされた、
と聞きました。そしてほどなくして、
イベントからクリエイターの表彰とスピーチは
廃止されることになったのです。

そこに因果関係があるのかないのか。
真相はわかりません。

ただ、もし、その事件のあとに
リクルートの代理店に入社し、
「なぜクリエイティブのスピーチはないのか?」
と疑問に思ってるクリエイターの方が
いらっしゃいましたら、一応謝っておきます。
ごめんなさい。
(本当にそれが理由かはわかりませんが)

ちなみに、T澤さんはその後、
ひと足先に求人広告の世界を飛び出し、
シナリオライターの道へと進みました。
コピーライターよりよっぽど
険しい世界だと思います。
やはり、鋼のメンタルの持ち主のようです。

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