リレーコラムについて

やめてみる。

佐藤舞葉

あまり大っぴらにしてないのだが、

大学を中退している。

 

今日はその話をしようと思う。

 

「一回、やめてみる」という話だ。

 

最初に入った大学は、第一志望ではなかった。

といっても私の学力はそもそも偏差値30くらいで、

12月の模試でもDE判定をくらっており

その大学に入れただけで周りは相当驚いた。

もともと私は享楽的な性質なので、

「まあ、第一志望ではないけど、

大学に入ったら目先の楽しいことにうかれてすっかりよくなるだろう」

と思っていた。

 

 

それが、全然よくならなかった。

入学式から抱いた違和感は、1年たっても消えなかった。

 

 

小中高と12年間エスカレーター式の学校に通っており、

大学受験は人生で初めての「選択」だった。

その選択を失敗したと思った。

 

4年間この大学に通い続ける自信がない。

 

再受験を決意し、違う大学に通うことにした。

 

 

結果的に偏差値が上の大学に入ったので

周りからみたら「まあ、そういうことなのね」だと思う。

 

しかし、実際は偏差値ランク下の大学も受けた。

 

いい大学に入ることより、

そこから逃れることのほうが重要になっていた。

 

 

 

さて、はれて京都の大学に再入学。

ウキウキのキャンパスライフがはじまる―

 

はずだった。

 

はじまらなかった、そんなキャンパスライフ。

 

待てど暮らせど、そんなものは訪れなかった。

 

 

そこでようやく気がついた。

「なんだ、自分のせいだったのか」

 

環境のせいにしていたけど、

原因は自分にあることがわかった。

 

結局2年はうまくいかず、

大学生活が楽しくなってきたのは3年目くらいからだったと思う。

 

 

 

だから、新卒で入った会社も

すぐに辞めなかった。

 

大学のときに

「やめてみる」経験をしていなかったら、

正直、3週間で会社を辞めていたと思う。

 

周りがパーフェクトにいい人、

いい環境だったこともある。

しかし、腐る理由はいくらでもあった。

 

それでも

辞めたいとは思わなかった。

ぜんぶ自分次第だ、と思ったから。

 

 

むりやり結論めいたものに

まとめるけれど、

なにかを「つづける」ために必要なことは

「やめてみる」ことかもしれない。

 

 

「一回辞めると辞め癖がつく」という人もいるけれど、

自分に限っては全くそんなことはなかった。

違和感を抱えたままつづけるのはつらい。

とにかく、一回やめてみた。

やめたら、つづけられた。

 

 

 

 

そんな私も、

今年の春に会社をやめた。

きげんよく生きつづけるために。

 

 

 

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