リレーコラムについて

でかまり子ちゃん

尾形真理子

ひとつ上の先輩に、ちびまる子ちゃんがいる

わたしが小学2年生のときに「りぼん」で連載がはじまって、

「素朴すぎる小さなヒロイン」は、小学3年生だった

 

くだらなさの中に情けがあり、

しょーもなの中にの真実があり、

冷静なまなざしの中に希望があることを、

わたしはちびまる子先輩に教わった気がする

同級生より常に頭ひとつ大きかったわたしは、

「でかまり子ちゃんだな」と自分のことを笑った

そして「背が高い」ということなんて、

悩んでも面倒くさいだけでしょーもないからやめようと思った

 

自虐ともまた違う、自分を笑うという感覚

それがないと、自分を客観的にダメ出しできない

そして、自分の思い込みを信じきれない

 

社会人になってから、

ろくにコピーが書けない毎日がツラくて、

日曜日も夕方になると憂鬱だった

そんな時間にテレビを点けると、

いまだ小学3年生のちびまる子ちゃんがいた

仕事の憂鬱が晴れるわけではなかったが、

勝手に憂鬱になっている自分をしょーもないと苦笑いして、

月曜日は会社に行った

思えばこの32年、ちびまる子先輩にはお世話になりっぱなしだ

 

さくらももこさんのご冥福を、心からお祈りいたします

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