リレーコラムについて

ことばのお仕事

中辻裕己

こっぺぱんの中辻です。

大学時代のアルバイトの面接の流れで、

就活の面接のことを思い出しました。

 

就職活動時からマスコミの企画職を希望しており、

テレビ局も受けていたのですが、

某テレビ局の採用は総合職という大きな括りではなく、

細かく部署を指定して受験する職種別の採用でした。

 

番組制作の部署以外にはあまり興味はなかったのですが、

エントリーシートには第十志望まで埋める欄があったため、

第一志望の制作部の後は、イベント事業部など企画ができそうな部署をなんとなく選んだり、

受かりやすいという謎の情報を信じて、営業部を選択したりしてエントリーシートを提出。

 

数日後、その会社から結果のメールが来ました。

 

「一次面接のご案内」

「エントリーシートが通過しましたので、一次面接にお進みください」

「あなたはアナウンサー部門にエントリーされております。」

 

アナウンサー?

 

後半、希望する部署に困り果て、第十志望くらいに書いたような気もするが・・・。

だとしても第九志望まで全部落ちたんかい。

 

複雑な想いを胸に抱きながらも、いただいたチャンスなので一次面接へ。

 

「それでは志望動機からお願いします」

いや、あるわけなくない?

 

しかし、自分は、後にM-1グランプリ1回戦を6年連続落ちる男。

持ち前のトーク力でなんとか凌ぎ、一次面接を突破しました。

 

 

続く二次面接は、原稿読みのテスト。

どう見ても偉い役職の方々が、目を閉じて、僕の声に耳を傾けます。

 

「臨時ニュースです。フランスのシャルル・ド・ゴール空港でボーイング777号機が・・・」

めちゃくちゃ読みにくい文章だなと感じながらも、全文を噛むことなく完走。

 

とはいえ、アナウンサーとしていい読み方だったのかはわからず、反応を待っていると、

面接官がゆっくりと目を開きました。

 

「・・・君、どこのアナウンススクール出身?」

 

あれ、よかったのか?

 

「ど、どこにも通ってないですけど」

「隠さなくても大丈夫。それで減点も加点もしないから」

「いや、通ってないです」

「またまたー」

「本当にどこも行ってないです」

 

ざわつく面接官たち。

 

「わかった!君、うちがやってる夏休み1日アナウンサー体験に参加したんでしょ?」

「・・・なんですかそのイベント?」

「来てないの!?」

「はい、すいません」

「じゃあなんでこんなにちゃんと原稿読めて、聞き取りやすいの?」

「普段からおしゃべりなんで・・・」

「それだけ!?」

 

面接官たちは金の卵の登場に、大興奮。

 

 

 

で、その面接で落ちたって話です。

 

———————–

 

ということで自分のコラムはここまでです。

なんとか毎日アップしようと、木曜日は23時59分にすべり込ませたのですが、

最終日、間に合わず、申し訳ございません。

 

5日間、楽しく書かせて頂いたのですが、

最後まで行と行の間のサイズを上手く調整できず、見栄えがよくないことが心残りです。

 

来週は僕にバトンを繋いでくれた福島さんの意思を継ぎ、

同じく2021年新人賞の吉田翔彦くんにお願いしました。

 

吉田くんは会社の同期でもあり、

なにより営業系の部署から企画、受賞という類稀なる才能の持ち主です。

 

それでは、来週から宜しくお願い致します!!

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