リレーコラムについて

スプラトゥーン!!!

栗田雅俊

細々とだが、スプラトゥーンをやっている。

スプラトゥーンとは、
1年ほど前に出たNintendoのオンラインゲームだ。

プレイヤーたちは2チームに分かれ、
インクの銃を撃ちあいながら戦い、チームの勝利をめざす。

1試合が5分くらいで終わるのが良い。

世界で450万本を超えるヒットだったこともあり、
発売当初は、周りでもたくさんの人がやっていた。
だがひとり減り、ふたり減り。
私のように戦争をつづけているものはもう少数派だ。

ではなぜ続けるのか。

スプラトゥーンと人生はまったく同じだからだ。

人生で起こることは、
すべてスプラトゥーンでも起こる。

チームワークがなければ、勝利は訪れない。
私はそれをスプラトゥーンから学んだ。

日々の努力が、結果にあらわれる。
私はそれをスプラトゥーンから学んだ。

スプラトゥーンには、
『ウデマエ』というパラメータがある。
C-からはじまり、勝つほどに上昇し、最高ランクはS+。

このS+になれないのだ。

数え切れないくらいの試合をしたが、
私の最高ランクは、
いまだにS+のひとつ前のランク、Sのまま。

Sまでならば
凡人でも努力でたどり着くことができると思う。

だが、一流の上の超一流、S+になるためには、
努力だけでは説明のつかない
神様からのGiftが必要な感じがする。

そしてそれは、人生においてもまた然り。

私がコピーライターとして感じていることと
まったく同じなのである。

数え切れないくらいのコピーを書いたが
S+的なコピーライターへの道のりはめちゃめちゃ遠い。

世の中で話題になる広告をつくり、
数々の広告賞を受賞し、
なんか講演とかしたり、対談したり
タレントさんの誕生会に呼ばれたり
お歳暮が家に届いたりする
偉大なるS+コピーライターの方々・・・

その背中は雲上に隠れ、
眩しすぎて見ることさえできない。

だが、焦ることはない。時間はまだある。
私は希望を捨ててはいない。

可能性がある限り、諦めてはいけない。
それをスプラトゥーンから学んだからだ。

いつの日か、
雑誌『ブレーン』の、なんか最初のほうにある
若手のクリエーターとかが
アンケートに答えるページ、
あれの回答者に選ばれる日を、私は夢みている。

ああ、スプラトゥーンとは、人生のことであった。

仕事がとても忙しいとき、
翌日の朝から打ち合わせなのに
何も面白いアイデアが思いつかない深夜。

私はそっとスプラトゥーンの電源を入れる。

決して逃避ではない。

スプラトゥーンすらがんばれない人間に
コピーライターががんばれるはずがない。
そう思うからである。

昨日もリレーコラムを書かなければいけないのに
電源を入れてしまった。

だからアップが、遅れた。
ただそれだけのことである。

(本当に申し訳ありませんでした)

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