リレーコラムについて

裸のセンセイ。

小林麻衣子

最近では、家や畑やいろいろな「シェア」がありますが、

銭湯の「お風呂をシェア」するというやつが、

いちばんすごいことなんじゃないかと思います。

だって知らない人と、裸で、同じお湯をシェアするわけですから。

私は人見知りですが、銭湯で知らない人と並んでお湯につかるのは、

なんだかとても好きなのです。

銭湯にも、前回の酒場同様、地元の常連さんが必ずいます。

「今日のお湯は熱いわよ〜」と気軽に話してくれる人もいるし、

常連だからと威張っているような人もいる。

「ほら、ドライヤーで落ちた髪の毛は拾う!」とか、

「濡れた体で脱衣所を歩かない!」とか、

ちょっとコワイけどありがたい説教をしてくれる人もいる。

ここもまた酒場と同様、個性的な「人生のセンセイ」だらけです。

先日行った銭湯で、おばあちゃんたちがおしゃべりしていたのですが、

「だってあなた、まだ若いじゃない。86才でしょ!」

「そうよ、余裕であと5年はいけるわよ〜!」

「いやいや、あと3年だわよ(笑)」

という、力強い会話が繰り広げられていました。

大自然の前で自分がちっぽけだと感じるときのように、

まだまだちっぽけな自分を感じて、

よし、明日もがんばるぞー!と思ったのでした。

銭湯は、そんな裸のセンセイたちもステキですが、

その建物、歴史、空間も本当に素晴らしいものが多いです。

有名な銭湯がどんどん廃業になっていますが、

居酒屋ホッピングならぬ、銭湯ホッピングで、

微力ながら応援していきたいと思います。

なにより、ひとっぷろのあとのビールは、最高ですから・・・!

——————–
<ハシゴ銭湯&居酒屋 初級・浅草篇>
①「浅草観音温泉」でひとっぷろ
②もつ煮込み「正ちゃん」で軽く一杯(東京都台東区浅草2-7-13)
③「蛇骨湯」でもうひとっぷろ
——————–

NO
年月日
名前
5904 2025.06.17 矢﨑剛史 Margarine Number.
5903 2025.06.15 藤曲旦子 令和版!とある街で聞いた会話 (ほぼ原文)
5902 2025.06.13 藤曲旦子 外の世界にでたコピー
5901 2025.06.11 藤曲旦子 今、話しておきたいこと
5900 2025.06.10 藤曲旦子 変わらないもの
  • 年  月から   年  月まで