リレーコラムについて

給料は千円札

赤石正人

父の勤めていた町工場は、
お給料の払い方が、ちょっと変わっていました。

いつも、茶封筒でドサッ。

お父さんスゴイ!
ずっしりとした重量感。
給料袋が立つよ〜。子供ながらに思いました。

でも、でも、でも!
別に、稼ぎがいいわけではないんです。

あけてみたら、ぜんぶ千円札!

ボーナスの時も
例外なく、ぜんぶ千円札!

しかも、ピン札じゃないから、
けっこう空気をふくんで、
給料袋が、ぶわぶわしてました。

あれ?一万円札は?と
子供の問いに

社長さんが言うにはやな・・・
と、口を開く父。

「社員のみなさん、
実際使うときは千円札で
使うことのほうが多いでしょ。
崩しておきましたから。」

とのこと。

給与振込が普通になった時代に、
一家の大黒柱の威厳を、
こんな形で、演出してくれた町工場の社長さん、
僕は好きだなぁ。

だって、30数年たった今でも、
こうして覚えてるんだもん。

あのブアツさを。

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