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犬の親権?

2014.06.06

チョビとレオは、昨年結婚したダンナの連れ子、いえ連れ犬で、
愛らしい顔をしたチワワたちですが、年齢は12歳というかなりの老犬でした。

犬好きだし、家族ができてウレシイ。
結婚前はやさしい妻よろしくそんなことを言っていた私も、
いざ暮らしてみると犬の飼い方にまつわる
さまざまなことでダンナと衝突します。

まず昼も夜も放し飼いにしているのが信じられない。
2人とも家にいない時間や寝ている間、
2匹の犬たちはリビングの床に粗相し放題。
もちろんちゃんとしつけはされているものの、
飼い主が見ていないとやってしまうのが犬というものです。
それから犬と一緒に寝ると夜中に体の上に乗ってきたり
ぐるぐるいったりするのでしょっちゅう起こされてしまう。
眠りが浅く、また眠らないと仕事できない体質の私は
必死にそれを訴えて(また何度か夫婦ゲンカもして)
犬と別室で寝る権利を獲得しました。
代わりに犬を放し飼いにする権利は、ダンナに譲りました。

そんな私も時間が経つにつれ、だんだん犬に情が移ってきます。
2匹のチワワは人なつこいのかバカなのか、
すぐに私に慣れてきて、ときにはダンナではなく私の横に
すとんと座ってきたりします。それが本当に可愛い。
特にレオの方は愛らしくボケーっとした性格も気に入って、
ダンナがどちらかというと利発なチョビを溺愛していることもあり、
私はレオに肩入れしていきました。

「レオちゃんの親権が欲しい」
ケンカをするとすぐに「犬にさわるな!」とか言い出すダンナにムカつき、
「これだけ世話させといてそれはおかしい」と主張してきた私は、
次第にそんなことまで思うようになりました。
「なんだ親権って。アホか」
ダンナには笑われましたが、
レオちゃんが急にぜいぜい言い出して死にそうになったときも
「この子はもともと心臓が悪くて長く生きられないって言われてたから。
オレはいつでも覚悟ができている」
なんて冷静だったダンナより、私の方が愛情は深いはず。
ケンカしたとき、もし離婚なんてことになったときも、
急にレオちゃんに会えなくなるのはおかしい。
あきらめきれず後日ネットで調べてみました。

すると、やっぱり同じようにアホな人がたくさんいて、
犬の親権に関するサイトがたくさん出てきました。
それによると、犬はモノと同じ扱いなので「親権」というより「所有権」。
それは購入した側(ダンナ)にある、という内容でした。
ちぇっ。なんだ。どこまでいってもあの犬たちは、私の子にはならないのか。

5月に入って、チョビもレオもいよいよ寿命が近づいてきたのか、
それぞれ体調不良に陥り、何度も病院通いや入退院を繰り返しました。
チョビは膵炎。レオちゃんは肺水腫という病名がつきました。
保険に入っていなかったせいもあり、ふたり合わせて治療費が60万。
くらくらする出費でしたが、
何度か命を落としそうなところを救ってもらう場面もあり、
お医者さんてありがたいなあと思う気持ちの方が大きかった。

動物病院では、ときどき自分のペットを亡くし、
その場で崩れ落ちるように泣いている飼い主の方もいて、
そんな様子をみるにつけ、我が家のことのように感情移入して
こちらも泣いてしまいます。
これがモノだなんてとても思えない、
こんなに可愛くて、面倒くさくて、情の移ってしまう存在が、
モノだなんて思えない。

その後もダンナとケンカして、私は事務所に泊まってしまう日もありましたが、
「レオちゃんの様子がおかしい」と連絡をもらうとすぐに家に帰りました。
まさに子はかすがい。犬だけど。

そして昨日の深夜。レオちゃんが亡くなりました。
一昨日にはだいぶ元気で、ケロッとのんきに遊んでいたので
「なにごともなかった顔してんじゃねーよ」
と夫婦で笑っていたのに、昨日の朝から急変。
息が浅くなり、レオのためにレンタルしていた酸素室に入れても
苦しそうな状態が続きました。
薬を飲ませても症状はよくならず、しかも昨日に限って病院が定休日。
私は打ち合わせが終わると、事務所からパソコンを持ってきて、
家で酸素室の横に座って仕事しました。

深夜23時過ぎ、レオは私の腕の中で死んでいきました。
「レオちゃんが死ぬ覚悟はできている」
なんて言っていたダンナも号泣。そりゃそうか。
13年一緒にいた犬ですからね。

そんなわけで、今朝は目が腫れています。
最後にしんみりしたコラムになってしまいましたが、
今日からまた元気に働きます。
一週間ありがとうございました。

次のバトンは、今年新人賞を取ったばかりの佐久間英彰さんに渡ります。
発明好きとしても有名な佐久間さん。
どんなコラムを書いてくれるんでしょうか。