リレーコラムについて

私たちに、明日はない。

西橋佐知子

昨日は、アメリカのロックフェス旅の話を書きました。

 

実は、ヨーロッパの小さなフェスに行ったこともあります。

 

2001年のリレーコラムで私は

「ゆらゆら帝国」が好きと宣言しているのですが

1999年から、2010年に彼らが解散するまで

私の最推しは「ゆらゆら帝国」というバンドでした。

 

2010年3月31日、年度末最終日。

彼らは公式サイトに

「この3人でやれることはやり切ったので解散します」と

挨拶文を載せ、あっさり解散してしまいました。

 

解散ツアーとか、解散記念盤とか

解散ビジネス、一切なし。

2009年12月30日に、年末ライブを粛々と演ったのが最後で

まさか、あれが最後になろうとは…。

人生つねに「明日はない」と思って生きねばな。

 

さて、その後、ゆらゆら帝国のフロントマン

坂本慎太郎氏は、インディーズのレーベルを作り

ときどきソロでアルバムを出していました。

ライブをする、という噂もなく。

ああ、あの赤いSGを担ぐお姿は

もう二度と拝めないのね。

そう思って7年が過ぎた2017年。

突然、坂本さんがライブをやる!という告知が出たのです。

 

なんと!

それが!

ケルン(ドイツ)の!

Week-End Fest!!

マジか?

誰と?どんな編成で?

 

もういてもたってもいられません。

夫に相談すると

 

「行ってくれば?

あのとき行けばよかったって

一生グチを聞くのは嫌だから」

 

なんて男前な!!

急遽ひとり、3泊5日でケルンに飛ぶことにしたのでした。

 

Week-End Festは

世界中の個性的なミュージシャンをキュレーションして

年に一回、秋口にケルンで行われる週末のフェスです。

 

CoachellaやBonnarooほど大きなイベントではないので

あまり情報がなく、ケルンの交通事情も、治安も分からない。

あの頃、ChatGPTがあれば

もっと事前にいろいろ分かったでしょうけど。

 

深夜にライブが終わって

どうやったら宿に帰れるかも分からないので

とにかく会場のホールから歩けそうなホテルを

ネットで探し、1軒だけ見つけることができました。

 

7年ぶりに見る坂本さんのライブは

それはそれは最高だったのですが

それを語ると長くなるので割愛します。

 

さて、ホテル予約サイトを通じ

苦労してみつけた宿は?というと

コンパクトながらシーツがピンと敷かれた

ドイツっぽい清潔なホテルでした。

 

旅立つ前は、

カードも使えるみたいだし、安心安心。

と思っていたのですが

何となく予約サイトの口コミを読んでいたら

世界中の人たちが

「ここのカードマシンはいつも故障しているから

気をつけろ」と書いていました。

 

え。まじで?

あまり現金持ち歩きたくないな。

そう思いつつ、万が一を考え

3泊分のユーロだけは

現金で確保しておくことにしました。

 

さて、フェスを楽しみ

いよいよチェックアウトの早朝。

カードで払えますか?とフロントで聞くと

「ちょっと待ってね」と

マシンを取り出し、いじる(ふりをする?)女主人。

 

「ごめんなさい、機械が故障してるの」

 

来た!

噂のヤツ!!(なぜかうれしい)

 

仕方なさそうに現金を出す私。

 

女主人はにっこり笑って

「ありがとう。エスプレッソでも飲む?」

 

カフェもついてないホテルでしたが

笑顔で朝のコーヒーを入れてくれました。

 

こりゃ、お約束の展開だな。

読んでてよかった、ホテルの口コミ。

それもまた旅の醍醐味。

 

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