得意とする
書くこと思いつかず、とりあえず自己紹介でもするかと思って、AIに「岩田泰河ってどんな人ですか?」って聞いてみたら、仕事の話ばかり出てきて、なんかそれはそれで嫌になった。当たり前か。プライベートについて知られても怖いし。でも、ちょっとは人柄というか、僕がどういう人かっていうのを感じてもらえるデータを残せないものか。
ということで、なるべくオフィシャルっぽくない、変な情報をこのコラムには書いていきたいと思いました。
思ったのだけど。
デジタルで書いた文章って変に後々まで残るから困りますよね。
最近、佐藤雄介さんからお仕事に誘っていただいたのだが、
佐藤「岩田くんって、いま、コピーライターなんだっけ?」
岩田「はい、いちおう、コピー中心で仕事してます」
佐藤「でも、社内のデータベース見たら、『企業のパーパスを言語化し、映像に落とし込み、PR視点やSNSで話題を拡散させることを得意とする』って書いてあったよ」
は?
なんだそれは。言語化?映像?拡散?全部じゃないか。恥ずかしすぎる。ていうかその社内のデータベースってなんだ?
岩田「えっと…すみません、なんか、ほんと恥ずかしいです。たぶん、若手の頃に売れたくて書いちゃったんだと思います、それ」
佐藤「これ読んで、全部できる人なんだ〜って思って、うん」
岩田「いや、ほんとすみません。当時、仕事もらうのに必死で、勢いで書いちゃったというか、自分を大きく見せたかったんでしょうね」
佐藤「はは…わかるわかる。そういう時期あるよね」
はやくそのデータ消したい。でもどうせログインパスワードとかも忘れてるし、もう2度とアクセスできないだろうな。
『企業のパーパスを言語化し、映像に落とし込み、PR視点やSNSで話題を拡散させることを得意とする』
すごすぎだよ。
SNSで見かける怪しいビジネスインフルエンサーみたい。そんなすげー奴いたら俺が仕事頼みたいよ。
でも、そのデータがずっとどこかに残ってるので、たぶん、これから一生、社内ではそういう人として見られて生きていくんだと思います。ずっと、若手っぽいビッグマウスなキャラで。
というか、
コピーライターって、ポートフォリオやスタッフリストに自分でプロフィール書かなきゃいけないタイミングがあると思うんですが、あれも恥ずかしいですよね。
誰かが客観的に書いてくれたらいいのに、自分で自分のプロフィールを書かなきゃいけないことのやばさ。どんなに隠そうとしても、「自分はこう見られたい」という欲望がそこに漏れてしまう。卒業した大学、大事にしてるんだ、とか。趣味を最後に書くことで親しみを演出してるな、とか。海外賞の受賞歴が長いな、とかとか。
ここまで読んだあなたは、さっそく僕のプロフィールを調べたくなってると思うので、それを見越してここにプロフィールを掲載します。
岩田泰河
株式会社 電通
第1CRプランニング局
17歳で哲学に開眼。思想と文化に目覚める。
大学では美学を専攻し、2014年電通入社。以来、コピーライターひとすじ。
日清「匂わせたい」、KANEBO「I HOPE.」、クラフトボス「えらいぞ、自分。」、アルフォート「青を味方に。」など。
ACCグランプリ、ギャラクシー賞グランプリ受賞。
たぶん5年前くらいに書いたのだと思う。
うーん、香ばしい。
開眼しちゃってるよ。目覚め…ってなんだ。
でもなんかいいな。微妙に尖ってる。ふつうの文書いて終わらねえぞという若気を感じる。
嫌いじゃないよこういう奴。
というか、
コピーライターって、性格悪い人多いですよね。
さっきの僕と佐藤さんの会話の、
===
岩田「えっと…すみません、なんか、ほんと恥ずかしいです。たぶん、若手の頃に売れたくて書いちゃったんだと思います、それ」
佐藤「これ読んで、全部できる人なんだ〜って思って、うん」
===
この佐藤さんの言い方も、だいぶ毒があったんじゃないかと、改めて気付いた。「全部できる人なんだ〜って思って」のところとか。
まあいいか。
こないだ後輩にコピー教えてくださいって言われて話していたら、
「泰河さんみたいにひねくれてないとコピーうまくならないんですか」
とか言われた。わりと丁寧めに教えてたつもりなのに。
一瞬落ち込んだけど、
いい人だけどつまんないコピーライターになるよりは、性格悪いけどいいコピーライターになる、ほうがまあ、ギリギリ、楽しいかと思い直した。
安達岳くんからバトンをいただいた岩田泰河です。
昨日、たまたま岳くんと飲んでいて、そこでコラム書かなきゃと思い出したのですが、家に帰ったら寝てしまいました。
よろしくお願いします。