リレーコラムについて

いる

佐藤充

市川さんからバトンをいただいた佐藤充です。
覚えていてくれてうれしいです。

よく「いる?」と言われます。

ロケハンをしていて、
1日で関東近郊の公園を数ヶ所巡るロケバスにいるときでした。
「やばい、置いてきたかも、みつるさんいる?」
とロケバスでプロデューサーが慌てだしたことがありました。
「大丈夫です。乗ってます」
と答えておきました。

福島県で行われている風とロック芋煮会に友人たちと参加しているときでした。
「みつるいなくない?」
と友人の1人が慌ててました。
「めちゃくちゃ隣にいるよ」
と答えておきました。

1番かわいがってくれていた親戚のおじいちゃんが死んだときでした。
「みつるいなくない?」
とお葬式ですこし騒ぎになったそうです。

このときは本当に僕はいませんでした。
急なことで親戚全員が連絡するのを忘れていたそうです。
しかもいないことに気づいても誰も連絡すらしてくれませんでした。

忘れられることがよくあります。
これはなにも人間相手に限ったことではありません。

昨日です。
近所のファミマの自動ドアの前。
一切反応してくれず、手動で自動ドアを開けました。

虎ノ門ヒルズでも
自動ドアを手動で開けたことが何度かあります。

いるのに、いない。
存在感の希薄です。

存在感の希薄は、
いないのに、いる。
という逆転の現象を生むこともあります。

「○○にいた?」
という連絡がよくきます。

「ハチ公前に立ってた?」
「歌舞伎町にいた?」なんてこともありますし、
「中央線に5人いた」と言われることもあります。

「いつもありがとね」
とはじめていくお店で言われたり、
「ランチにくるの珍しいね」
なんてはじめてのお店なのに言われることもあります。

自分に似た人間はけっこういるんだなあ程度に思ってた
そんなある日のことでした。

北海道に住む母から連絡がきました。
「仕事辞めたの?事務所のまわりうろうろするのやめてくれない?」と。
ぼくが東京の部屋でひとりでいたことを伝えると、
「やだ、嘘つかないで。あれ絶対あんただから」と母はつづけます。
「仕事辞めたの言いにくいんでしょ」と。

すぐさま同じく北海道に住む妹からも連絡がきました。
「なんでみつる街にいる?会社クビになったのか?」と。
妹は基本的にぼくにタメ口で、自分を姉だと思ってることは置いときます。

仕事辞めそうと思われたり
クビになりそうと思われているのは、
日頃のぼくの行いが原因だとしても、
親兄弟がぼくを見間違うとは思えません。

正直これをここに書くか迷ったんですが、
今度、実家に帰ったら、
もう1人の方のぼくがいるような気がします。
乗っ取りです。

限りなく存在感の薄い人間を
まず最初に乗っ取るのが効率がいいと思うので。

存在感が薄いので、
この人間は放っておいても問題ないと今は思われているかもしれないですが
ここに書くことによって問題を大きくしたとき
どうなるかわからないです。

明日以降は、
もう1人の方が書いてるかもしれないです。

NO
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