リレーコラムについて

コピー年鑑をよろしく

一倉宏

贈賞式と発刊記念パーティも無事終わりました。
みなさん、おつかれさまでした。

年鑑には40年間(語呂合わせみたいだけど)
審査委員や幹事などの立場でかかわってきて。

コピー年鑑っていったい何だろう、と
いくたびか考えたことがあります。

 * * * * *

土屋耕一さんがTCC会長だった頃。
年鑑にとって「大切なのは記録性なんだよ」
と言われていたのを思い出します。

後世に残す記録。
そもそもの年鑑の意味はそこにあります。

いまの記録メディアの保存性はどうなんだろう?
磁気や光学ディスクは早くも使えないし。

フラッシュやクラウドだって
いつまで保つのか怪しいものです。

でも、紙のメディアは違います。

二百年前の紙の冊子は神保町で入手できるし
千年前の史料を上野の博物館で見ることもできる。

この「コピー年鑑」という
アナログの、アナクロな、紙の書籍
何百年でも記録を保存してくれるのです。

試しに、オンラインサービスの
「国立国会図書館サーチ」で
[コピー年鑑]を検索してみました。

1963年版からの全巻がちゃんと
国立国会図書館内に保存されていました。

1985年版以前のコピー年鑑は
デジダル資料化もされて利用できます。

全国の図書館に蔵書されている
コピー年鑑も探し出すことができます。

紙のメディアは残り続けます。
いつまでもずっと。

 * * * * *

出版をめぐる事情は
ますます厳しくなるでしょう。

けれど、未来に届けてほしい。

昨夜集った、次代を引き継ぐみなさん。
コピー年鑑のリレーを、どうぞよろしく。

 

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