リレーコラムについて

あのひとのこと③

坂本和加

 

「宮田識」

 

 

 

宮田さんは、人を育てるひと、というイメージがあります。

 

ドラフトというでかいデザイン事務所を牽引していた泣く子も黙る時代から、今なお。

 

KIGIのお二人を始め、高い作家性を備えた

アートディレクターを何人も排出しているイメージがあります。すごいですよね。

 

私がご本人との仕事を通して感じるのは、デザインが大好きだということと。

 

でも自分は、CD業に特化した。デザインは昔ほど上手じゃないからと、

現場を仕切るアートディレクターに対するそこはかとない尊敬があります。(でも表には出しません)

 

卒業生デザイナーたちの個展はほぼ足を運んでいるようですし。

DBROSカレンダーにサインちょうだいと、イラストを描いた本人にねだっていたり。

 

それから。デザインで世の中をよくするんだ、という強い信念があって。

 

大好きなデザインが世の中と握手するようにディレクションをしているから、

一生懸命ついていこう、応えようとデザイナーたちが頑張ると

いつのまにか作家になってしまう!みたいなことなのだろうと、勝手に分析しています。

 

結構あたってると思います。

 

それらを、目の前の数字を作ることと同時にやるから、ほんとうにすごい。

CDとしては、日本で一番すごい方ではと思います。

サンプルがすごく少なくてすみません。

 

宮田さんとコピーライターとの仕事はどうなのか?というと、

なにせ「書いちゃうタイプのCD」なので。「やりにくいなあ」と思う人多数なのではと推察します。

 

実際私は「世界のキッチンから」の仕事がはじまって大分たって、アートディレクターのTさんに

「坂本さん、宮田さんとこんなに続くと思わなかった」と言われました。

 

直されたり、書かれちゃって腹がたつというより

宮田さんのは「ディレクション」であり、

私にとっては「なるほどそう来たかー」でしかありません。

 

さて。

若手の皆さんは、コピーの修正って日常だと思うのですが。

そんなときこそ、胆力の鍛えどころだと私は思います。

 

「書いたものがパッと決まる」ことは美しいけれど。

そうじゃないこともたくさんあるでしょう。

ましてやフリーランスという立場なら、存続に関わる。

一倉さんだって、「ペンある?」と、その場で書くということをわりとしてきています。

 

なので、修正も楽しむくらいの勢いでいい。

なぜって、宮田さんの書くコピーのようなものは、完全に宮田識だから。

 

あるときは、とっても昭和!だったり

JK風に書いてきたこともあって、それらは

セーラー服の宮田さんでした。きゃー(惜しくもローンチならず)

 

宮田さんは、どこまでも「まっとう」で

どこまでも真面目で、ロマンティックなスーパーリアリストです。

 

素晴らしいCDです。

でもよく考えると、立場的にCDが書いちゃうのはかたじけない。

だったらもっといいのを書こ!

 

という善のスパイラルです。

 

宮田さんとの仕事は、

「デザインするな」「コピー書くな」「広告作らないでくれる?」と

わりと禅問答みたいなんですが。

 

「広告を作る」ではなく「ブランドにしていく」

という視点でなんでもやっていくので、いまだ新鮮な学びがあって、面白いです。

 

引き続きお世話になります。またおいしいもの食べましょう〜。

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