コピー年鑑2025 編集後々記_1
電通の関西オフィスで同じ局に所属する小出さんからバトンを引き受けました。
「関西のADってコピーとかCMプランナーできるんよ」とよく言われますが、
まさに小出さんはその流れを汲んでいるアートディレクターの先輩です。
茗荷も新入社員の時から「関西のADってコピーとかCMプランナーできるんよ、小出さんみたいに」と
周りの人から言われ続けるので、勘違いして僕もちょっとだけコピーとかCMプランナーをやるようになりました。
できなくても言われるとその気になるもので、勘違いさせてくれる環境って大事だなと思います。
さて、
コピー年鑑2025のアートディレクターとして担当させてもらいました。
せっかくのこの経験を最後までしがみ倒そうと思います。
とても素晴らしい年鑑だと自負しているのですが、個人的にADとしては反省するべきところも多いので、
この場をかりて勝手に深めの1人反省会をさせてもらおうと思います。
「コピー年鑑のADできる?」
古川雅之CDから2025年の春めいた頃にお話をいただいた。
話を聞く限り2025年の編集委員長になられたこと、
そしてOCCではなくどうやらTCCのコピー年鑑のことを
おっしゃっていたようだ。
もちろんTCCの年鑑はOCCの年鑑の10倍の値段がすることだけは知っていた。
(ページ数は2倍なのに)
コピー年鑑はどれをとっても素晴らしいアートディレクション。
60年以上続いているのに共通のフォーマットはなく
毎年、その年の担当になった人たちが一から作り上げる狂気の年鑑。
これは実際に作ってみて思ったことで、毎年この年鑑制作という莫大なエネルギーが
縦30cm × 横20cm × 厚さ5cm程度に押し込められているのかと考えるとゾッとします。
近年だけ見ても
2018の黄色いギザギザモチーフ、展覧会まで計算された展開が素敵。
2019の美しい青の表紙、
2020〜2021の理性的なデザインと匠の技。
2022の60周年という事実から過去の年鑑というモチーフを持ってくるという企画、羨ましい。なにより種類もあって可愛い。
2023の濃緑の表紙に溶岩=赤というモチーフ。造本としての完成度が高すぎる。同じ予算でできるの???
さらに2024年のかわいいイラスト…
とあげ出したらキリがない。
とても胃がいたい。
「一生に一度の経験だ!」という浅はかな思いだけでは
乗り切れなさそうな匂いがぷんぷんとする。
尻込みしているうちにコンセプトが生まれてしまう。
古川編集長からもらった方針は「過去-現在-未来」というコンセプト。
チームでブレストしていく中で古川さんがポンと出してしまった。
2025を2020-2030の真ん中に見立てる企画で、まさに今年しかできない。
素晴らしい。コンセプトが決まってしまった。どうしよう。
真剣にデザインの骨子を決めなければならなくなってしまった。
僕ができることは打ち合わせの「定例化」くらいだ。
仕事では自分ではできるだけ「定例」という切り札を切ってこなかったが
今回ばかりは藁にも縋る気持ちで「定例」という召喚魔法を使わせていただいた。
早速この素晴らしい定例というシステムで、一つ手がかりらしいものが見つかる。
定例で雑談している時にでてきた「形容しやすい年鑑」。
コピー年鑑は「新人賞〇〇年に獲りまして」「お、いつ?」
「〇〇の年鑑の年ですね」みたいな会話になることが多い。
山の年鑑、笑点の年鑑、バスの年鑑。「形容しやすい年鑑」は大事そう。
小堀くんが言っていたことでして、とても良い方針になったと思います。
2025の「現在」とは?と話になったときに、スーパーの売り場の話になり
確か直川さんが「2025は米」と言っていたと思います。
「お米の年鑑」形容しやすい。2015年がパンの年鑑だしちょうどいい(?)
その言葉をヒントに全面お米のビジュアルを作って無事に一歩前に進むことができました。
定例の打ち合わせがなければ、ここまで進んでいなかったと思う。ありがとう定例。
早速、生成AIの力を借りてカンプ化。最初に作ったカンプは本当に米粒でできたようなカンプ。
本番の仕上がりはUVニスでテクスチャを出したが、もっと立体感出るように粘った方が良かったかもしれない。
年鑑を見るたびに、もっと米粒感を探求すればという後悔が0.1秒だけ頭をよぎる。これは一生続く後悔だ。
そのうえエディトリアルというデザインの中でもさらに得意ではないジャンル。。。
どうして引き受けたのかという問いは頭から離れない。
早々に「無理だ!」という判断を下し、
後輩のアートディレクター石井野絵さんに入ってもらうことにした。
(この判断してなかったら完成してなかったので、ここだけは自分を褒めてあげたい。)
この「米」のモチーフというのがKVになるかと言えば
なかなかこれがさらに難しかった。。。米でデザインを展開すると、
「今年もたくさん実りました」のようなちょっと安っぽい展開になってしまう。
なので裏モチーフとして「過去/現在/未来=点=円形」を設定し共通のモチーフに。
これがちょっと中途半端だったかもしれない。時間が遡れるなら
ここをもう一度考えたいが、答えのないまま時間を遡ってもまた同じ轍を踏みそうだ。
答えが見つかったら時間を遡ろう。
次はさらに反省を深めようと思います。
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