故郷。それはLove & Hate
先週、お盆なので実家に帰省してきました。
うちの田舎は地方都市の外れの外れ。とんでもない山奥にあります。
たまに地方暮らしに憧れている都会の方の話を聞きますが、田舎育ちの自分には、まったく意味がわかりません。
せっかく「都会に生まれる」という出生地ガチャに当たったのだから、そのまま暮らせばいいのにと思ってしまいます。
自分の田舎を例にとると、険しい山々が周囲を取り囲んでおり、夏、酷暑。冬、豪雪。
外界からの来訪者も情報も見事に遮断しています。
まさに日本のアルカトラズ。
極めて脱獄困難な自然が育んだ終身刑務所です。
この隔絶された地形は文化・慣習にも影響を与えており、例えば田舎はあっという間に情報が広がります。
高齢者が多いにもかかわらず、そのスピードと拡散力はXやInstagramをはるかに凌駕。
今回、車で帰省し、家の前に停めていたせいか、翌日には集落のいろんな方から母が「息子さん、帰ってきたのか?」と聞かれたそうです。
昔、歴史の授業で聞いたのですが、田舎における情報伝達の速さは江戸時代の五人組の名残らしいです。
異変がないかと常に目を光らせ、相互監視することで村の秩序を守る。
都会では消滅したその意識が連綿と受け継がれているとか なんとか かんとか。(真偽は不明)
また、この隔絶された村社会システムは、行政の公式データにも影響を与えている可能性も。
墓参りの数日前、我が家の先祖が眠る墓地で熊が出たそうです。
が、うちの集落では熊の出没があまりに日常化していて、もはや目撃くらいでは報告しない方も多いそうです。(マヒってる)
報告すると行政から目撃時の状況について、とんでもなく細かくて長いヒアリングを受けるらしく、それが煩わしいとか。
この墓地に熊が出た話もニュースや新聞ではなく、近所のおばちゃんがボソッと言ってて知りました。
熊の目撃情報件数は昨年より微増らしいですが、報告しない方が増えていることを加味すると、
実際の出没件数は爆増してるのかもしれません。(データには現れない真実)。
と、悪い面ばかり書きましたが、そんな場所になぜ毎年、帰省するのか。(僕は夏と冬、必ず帰省します)
望郷といった美しい理由とかではありません。
親の高齢化、「あと何回会えるか分からない」、という現実的な側面もあります。
ただ、根っこには「田舎は出られても、逃げ切れない」ってやつがあるのかなと。
また、刑務所を出ても、一定数の人が数年のうちに再び塀の中へ戻ると聞きます。
理由はさまざまでしょうが、「外の社会に居場所を見つけられず、勝手のわかる塀の中のほうが落ち着く」というのもそのひとつだとか。
それに似てます。
というわけで、東京へ逃亡中の僕も、結局は身体に染み付いたあの独自のしがらみが時折 恋しくなって、
自ら檻の中にぶちこまれに、帰省という名の自首をしているわけです。
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