就活必勝法、日サロ
大学4年のとき、
就活に、ぜんぶ落ちた。
コレクションできそうなくらい、
いろんな会社から
お祈りメールが届いた。
行くあてもなかった僕は、
大学を留年して、
2回目の就職活動に、
挑むことにした。
いわゆる、
就職留年というやつだ。
「もう失敗することはできない!」
焦った僕は、
できることは全部やろうと思った。
とにかく必死だった。
面接で話せることなんて、
野球部の話くらいだったので、
面接の練習はたくさんした。
その姿を、スマホで録画して、
一人で反省会をしたりもした。
ーーー
ある日、
面接練習の録画を、
見返していた時だった。
気がついてしまった。。。。。
「おれ、めっちゃ色白じゃね?」
部活を引退して、
グランドからは、遠ざかっていた。
加えて、コロナ禍。
オンライン面接が主流で、
ずっと家にいた。
そのおかげで、
日焼けは、おさまり、
すっかり色白になっていた。
つまり、、、、、、、、
面接で、
「炎天下の中、練習をがんばりました!!!」と
熱く語っている人間が、
めちゃくちゃ色白なのである。
「朝から晩まで、野球漬けの4年間でした。」と、
まっすぐ語っている人間が、
めちゃくちゃ色白なのである。
・・・・これは、由々しき事態である。
嘘をついている感じというか、
なんか説得力に欠ける。
少なくとも違和感がある気がした。
「その話、ほんとかよ…」と、
思った面接官もいたかもしれない。
そんな懸念が、湧き上がってしまった。
いま思えば、
完全に考えすぎである。
でも、当時の僕は、
それだけ、必死だった。
ーーー
色白のことで頭がいっぱいになった僕は、
気がつくと、横浜駅にいた。
正確にいうと、
横浜駅西口にある
日焼けサロンの前に立っていた。
入店すると、
ギャルの店員さんが、
僕を待ち構えていた。
お店の奥に誘導され、
日焼けマシーンへ。
紫色の光が、
ぼくの全身に降り注ぐ。
マシーンに入ってから気がついたが、
面接のために焼くのだから、
首から上だけでよかった。
パンツ一丁で、面接は受けないのだから。
そんな後悔をしている間にも、
日焼けマシーンが、僕をジリジリ焼いていた。
30分ぐらい経つと、
マシーンが止まった。
施術、終了である。
更衣室に移動して、
おおきな鏡の前に立つ。
そこには、
すっかり小麦色になった僕がいた。
あの日は、たしか2月。
季節はずれの、
日焼け就活生が誕生した瞬間だった。
ーーー
そこから数週間、
いろんな企業の面接を受けた。
なんと、通過率がすこし良くなったのだ。
日サロのおかげだろうか。
面接練習のおかげだろうか。
それは、
神様と、人事部しか分からない。
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