会社を辞めようか迷ったら、してみるといいこと
ようやく会社ではなく個人事業主で始めることを決めたのが3月半ば、
そこから急いで名刺やドメインの取得を考えることとなりました。
単純なことですが、会社にすることを選ぶと
「株式会社◯◯」や「.co.jp」の可能性があったので
手を着けられなかったわけです。
保険その他の退職書類も連絡先が決まってやっとここから、
そして営業日はあと10日、その間にプレゼンもある、
手を動かすのみです。
しかし、ここで悩んだのは名刺のデザインを誰にお願いするかでした。
有り難いことに僕には優秀なADの友人が多く、
名刺に関しては全く心配していませんでした。
会社を辞めようと思って以来、その誰もが親身に相談にのってくれてもいました。
が、それだけに、このタイミングで誰かに頼むとすると、
まるで友人ベストワンを選ぶように感じて心苦しくなったのです。
気にしすぎかもしれない。
でも、こんな時に結論を急ぐと、
どこかにヒビが入ってしまう気がする。
しかし立ち止まってはいられません。
ひとつひとつ退職手続きを片付けていくにつれ、
段々と隠れていた最後の大きな宿題が見えてくる。
いわゆる、お世話になりましたメール、です。
自分一応コピーライターだしなぁ・・・、
送るリストもまとめないとなぁ・・・、とズッシリ。
自分の名刺はいったん諦め、
これまでに頂いた名刺の整理に取り掛かったのでした。
企画コンテと同様、僕は全ての名刺も保存していました。
PCも携帯もなかった頃の名刺は、当然ながら
SNSはおろかメールアドレスも入っておらずスッカスカ。
今見るとうっかり忘れ物をした子どものようでかわいい。
名刺ファイルをめくるとレコードのジャケット集のような趣きもあり、
やっつけ作業のつもりが意外と楽しめたのですが、
名刺交換してない社内は面倒くさいことになりました。
全社一斉で済ませようと管理部にメーリングリストを聞いたところ、
「あるけど教えない。
ちゃんとBCCにしないと何人かが全員返信するだけで
サーバーがパンクしちゃうから禁止なんです。
特に井村さんはそういうこと分かってないから危ない」
お世話になった人全員の名前を思い出せるわけもなく、
原始的に部門別のアドレス帳を見て
一人一人抜き出すハメになったのでした。
それはそれで
「お世話になった営業のあの人、今はこんな部署にいるんだ」と
部署をクリックするたび意外な場所で久しぶりの名前を見つけることになるわけですが、
その時感じたのは懐かしさではなく、
「知らない部署がこんなにあるんだ・・・」
という驚きでした。
クリックしてもクリックしても
これまで全く接点の無かった部署がどんどん出てくる。
それは映画、音楽、出版、プラットフォーム等々広告以外にも広がっており、
ちょっと誰かに声をかければどこかに繋いでくれて
面白いことが実現できそうに見える。
初回のコラムに書いた通り、
「新しい人とでも出会わないことには」という理由で会社を辞めることにしたのですが、
会社にいた方が簡単に新しい人やコトと出会えそうに思ったのです。
「半年前にリストを作っていたら、辞めるのやめたかもしれないなぁ・・・」
そして直感的にその逆もあると思った。
つまり、
僕を含め会社を辞める人はほぼ100%
最後の最後に退職メールを書くことになりますが、
むしろ最初の最初にここから始めればよかったのではないかと
最後の最後に思ったのでした。
もしあなたが会社を辞めようか迷うことがあったなら、
迷う気持ちを深追いせず、とりあえずリストを作ったり
退職メールを書いてみるといいと思います。
まぁ面倒くさいのでやらないと思いますが、
それはそれでまだ時期じゃなかったということでしょう。
でも、少しでも書き進められたら、頭の中で悩むよりも、
はるかに早くスッキリ結論が出るはずです。
途中までしか書けなくて辞めるのをやめたとしても
きっと今より会社人生に前向きになれるし、
もし最後まで書き終えられたなら、そういうこと。
これは自信を持ってお伝えできる、
僕の退職活動の結論です。
僕も退職メールを書きながら
「新しい人とでも出会わないことには」を思い出し、
「はじめまして」と会ったことも無いADの方に
名刺をお願いするメールを出したのでした。
5952 | 2025.08.29 | 会社を辞めて初めての朝のこと |
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