リレーコラムについて

きっかけは一生忘れないから。

阿部広太郎

いつか、なにかあった時に、
おそらく見るであろう走馬灯ってやつが、
編集にこまるくらいの人生がいいなあ。

ふとんにもぐり眠りにつくまでのひと時。
ふっと、そんなことを思ったことがある。

一生忘れられない光景。
それは、このコラムにおいて、
ここまで綴ってきた自分の経験。
何かに挑んで、変わっていく世界。
それはもちろん目に焼き付いている。

それだけじゃない。

どちらかと言うと伏し目がちで、
飲み会でも、いつもすみっこの方にいて、
相手の瞳をまっすぐに見れなかった後輩が、
回を追うごとにほんの少しずつ、自信をつけて、
仲間を巻き込んで、企画をかたちにして、
すごくすごくまっすぐな目で報告してくれたとき。

ああ、目撃してしまったなと思う。

変わろうとして、人が変わる瞬間を。
心に熱をもつ感覚がじんわりと広がっていく。
そんな忘れられない人間ドラマを、
「企画メシ」という場は見せてくれる。

きっかけになりたいのかもしれない。

言葉は誰かの始まりになれる。
言葉は誰かの拠り所になれる。
言葉は誰かの思い出になれる。

僕は誰かのきっかけになりたいんだ。
人生を変えるきっかけは一生忘れないから。
言葉を通じてそんな仕事をしたいんだ。

そう思った時に、以前に綴った、
これからの目標が出てきた。

広告の世界を超えて、紙もデジタルも超えて、
読んだ人が、ワクワクする、ドキッとする、ゾクゾクする、
ほんのり泣きたくなる、なんだか笑いたくなる、
そんなものを手づくりできる作家になりたい。

過去の目標に、
おい、今はどうだい?と、
背中を叩かれた気がした。

変わりたいと願った人が変われる、
そんな物語のそばにいたい。
湧き出る正直な思いは、どんどん大きくなって、
2017年1月、僕は、
会社のコンテンツをつくるセクションに異動した。

悩むこともある、答えが見えないこともある。
まっすぐ突き進めるほど、甘くはないと思う。

でも、自分の大切な芯は見つかってるから、
あとは、その瞬間瞬間、頭に汗をかいて、
よし、こっちだ!そう思う方にひたむきでいたい。

とことん考えた先の清々しさが、潔さだと思うから。

正直なところ、
これから自分がどうなっていくのか、
まったくわからない。

だからこそ、次の4年後か5年後。
このリレーコラムでどんな報告ができるのか?
楽しみで仕方がない。
東京五輪がある、その先も人生はつづく。

ここからだぞ、俺。

そう、5年前のコラムで言って、
また同じことを言うなんて思わなかったなあ。

30代、おもいきりいこう。

変わることをおそれない。
意味なんていくらでも後付けできるから。

2017年3月24日。
僕の2度目のリレーコラムは、
今日で終わりです。

金曜日までお付き合いいただき、
本当にありがとうございました!

最後に…宣伝させてください。

これまでの生き方、
これからの働き方をつづった書籍、
「待っていても、はじまらない。—潔く前に進め」(弘文堂)
潔く前に進むためにはどうすればいいのか、書きました。
心を込めて、時間をひたすら掛け、
読んだ人の背中をぐぐっと押す本にできたと思っています。ぜひ。
http://amzn.to/2gvITpc

そして、
BUKATSUDO講座「企画でメシを食っていく」。
第3期の企画仲間を今、募集中です。
たくさん火花が散る、前向きでいい時間にしましょう。
http://kikakumeshi.jp/news/article170303.html
4月10日(月)正午〆切です。

というわけで、
リレーコラムのバトンは…
meet & meetの小藥元さんに渡します!

コピーライター養成講座「先輩コース」で、
ともに講師を担当している小藥さん。

この人の書くコラムが読みたい。

そう思い、お願いさせていただきました。
すごく、楽しみにしています。

小藥さん、よろしくお願いします!

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