リレーコラムについて

コピーライターの娘

福岡万里子

こんにちは。福岡万里子です。

このコラムに行き着いた方のうちコピーライターの方は多いと思いますが、
コピーライターの子どもは少ないかもしれません。

わたしは父親がコピーライターで、コピーライターの娘として育ちました。

電通に入りたいと思うなんて。コピーを書きたいと思うなんて。
18歳ぐらいのわたしは、絶対信じてくれないでしょう。

それは父が「なりたい存在」と、ほど遠かったから。
我が家がずれている可能性も高いですが、娘ってそんなもんだとも思います。

後輩女性に、書けないぐらいな変態発言を年賀状でしていたのを知っているし、(ごめんなさい!娘が代わりに謝ります!)
「カバンは不要!」と言って紙袋で(※ボロボロ)出勤していたのもどうかと思う。
恥ずかしがらせようと、家中の紙袋に落書きしたのに無駄でした。

と強がってみましたが、本音を言うと・・・
誰に似たのか、こっそり負けず嫌いで、頑固で、ひねくれたわたしは、
父に勝てる自信がなく、広告、特にコピーの世界に足を踏み入れることに勇気が必要だったのです。

思い返してみると・・・
小さいころから、会社の人たちに遊んでもらうのが何より好きだったし、
土日に会社に連れて行ってもらったときにすごくワクワクしたのも覚えています。
壁一面のポスター、出張土産のお菓子(お菓子の国レベルな記憶)だけでなく、会社のにおいが好きだ!と思ったことも忘れません。

父が企画したCMに、母とわたしで(@我が家)出たのも楽しかったし、
父の関わったCMをえらそうに講評するのも好きだった。

でも素直になるまでは、意外に時間が必要で・・・
そのきっかけが、去年の新人賞でした。

新人賞をきっかけに、父のことなんて気にせず、
むしろわざと自分にプレッシャーをかけながら、
どんどんチャレンジいきたいと思うようになりました。

不安や落ち込むことももちろん多いけれど、
楽しくてたまらないこの仕事で日々チャンスをいただけるって、
本当にありがたいと思います。

気持ちが変わるきっかけになったTCCにも心から感謝しながら・・・
まだまだですが、これからもっともっとがんばろうと思います。

というわけで1週間のコラム終了!
お付き合いいただき、ありがとうございました。

バトンは、宮田知明さんに。
隣の隣の席の先輩です。

前回の宮田さんのコラムを拝見していたら、ちょうど父が登場していましたね。

宮田さんのコピーで好きなものはたくさんあるのですが、
「東北は元気です。ですが、じゃあもう大丈夫、というわけではないのです。
」という2016年のコピー。
実は今日3/11で、テレビを見ながら何度もこのコピーを思い出していました。

ほんとそうですよね・・・。

宮田さん!よろしくお願いします。

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