リレーコラムについて

金髪

盛田真介

だいぶ前ですが
会社近くのコンビニにふらっと立ち寄ったときのこと。

いつもように、手のひらでつかめるだけの
うまい棒チョコ味をつかんでレジへ向かうと、
金髪のお兄ちゃんが割り込むように
ぼくの前に入ってきました。

割り込んだ側にも関わらず、
兄ちゃんが「あん?」という表情を向けてきたので、
それに応戦するようにぼくも「あん?」返しをしたのですが、
中学生時代になけなしの200円をカツアゲした
ファンキーガイそっくりの風貌だったこともあり、
明らかに年下ではあるものの(推定18歳)
ダチョウ倶楽部ばりの「どうぞどうぞ」で前を譲りました。

「人に先を譲って、うまい棒を大量購入する。
これは大人買いを超越した紳士買いではないだろうか!!」
という、極めて生産性の低い考えにふけっていると、
金髪兄ちゃんの一言が聞こえてきました。

「マイセンライトとリュウデンバゲ」

マイセンライトは、マイルドセブンのライトです。
タバコです。吸わない人も知ってたりしますね。
これにはなんの違和感もないのでスルーします。

リュウデンバゲ。
・・・はて?

その昔、「竜虎伝説」みたいなタイトルのゲームが
あったような、なかったような記憶があります。
その名作が時を超えて流行り始めたのか?
と思いましたが、最後の「バゲ」に納得いく説明が見つからないこと、
そして店員さんの至極困惑した表情から考察するに、
どうやら違うようです。

「え?」
店員が聞き返しました。

「マイルドセブンのライトと、リュウデンバゲ!」

もしかしたら聞き間違えだったのかも?
というわずかな期待をかき消すように
今度ははっきり「リュウデンバゲ」と言い放ったパツキン。
間違いない。ヤツはリュウデンバゲを求めている。

再度、店員が聞きなおしました。
2回聞きなおすのはすごい勇気です。
男の中の男。いや、正確には男っぽい女性。

するとパツキン、
今度はあるところを指さしながら
苛立ち気味に3度目の「リュウデンバゲ」を発しました。

指さす方向へ目を向ける店員とボク。
行き着いたのは、ホットフードコーナー。
そこには、こんな文字が書いてありました。

「竜田揚げ」

ゆとり教育がもたらした影響を
国に問いたいと思うので
今日はこのへんで。

NO
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