2024.4.15 朝のこと
子供は、なぜあんなに朝早く目を覚ますのか。
前日入念に運動させ(ほどよい疲労感を与え)、
寝室の遮光をピシャッと万全にしても、
翌朝ばっちり開いた目でこちらを向いている。
それも親が起床したいと願う
ちょうど1時間くらい前を狙って、
自動で起き上がるシステム。
「ちょっと早めに起きた朝、
僕は疲れた両親を起こさないように、
その寝顔をしばらく見つめていたんだ」
といった気遣いは4歳児にはない。
絶叫する。想像を絶するデカさで。
「起きるよおおおおお!!!!!」
フェードインとかじゃない。初速からフルボリューム。
「起きるよおおおおおお!!!!!!!」
自分が起きたら、他人が寝ていることを許さない。
なぜか起床タイミングだけ、連帯と規律を重んじる。
睡眠状態から0秒。直接耳と脳と心臓に届く大音量。
さすがに勘弁してほしくて、ある朝ついに願い出た。
「起きるよおおおおおおおお!!!!!」
「あの・・・すみません」
「起きるってば!!!」
「せめてもう少し、甘い言葉を囁くようにお願いできませんか」
「・・・」
しばらく考えたあと、譲歩してくれたのか
4歳児の頭が近づいてくる気配がした。
彼はこちらの要求通り、耳元で静かに囁いた。
「チョコレート」
それは確かに、4歳児が知る限り、一番甘い言葉だった。
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