リレーコラムについて

2人の刺客

吉兼啓介

CMプランナーは、
喫茶店とかファミレスで企画する人が多い気がする。
たぶん、会社は息苦しいし
真面目な企画しか浮かばなそうだからだろう。

僕は会社のデスクで企画することが多い。
喫茶店とかいくとサボっちゃうからだ。
周りに働いている人たちがいると、働かなきゃ。という気になる。
しかし、ここ最近はデスクで企画しなくなっていた。

その理由は、デスクで企画をしていると
左右の脇腹に指を突いてくる技(以下「デュクシ」という)
をしてくる先輩がいるからである。

僕がイヤホンしてPCに向かって集中していると、
いきなりデュクシ!
ぐおっ!と仰け反る僕を見て「ウケケケッ!」と
笑って逃げていく先輩ゴブリン。

しかも2匹もいる。
アートディレクターのK杉さんと、
同じくアートディレクターのO室さん。
僕のデスクの真後ろに2匹の席があるので
いつデュクシが来るのかわからない。

午前にK杉ゴブリンのデュクシ!
午後はO室ゴブリンのデュクシ!
10分後にまた、K杉ゴブリンのデュクシ!
もう仕事にならない。

デュクシされた時用に、
固めの雑誌を両脇に隠しておいたこともある。
しかし、そういう日に限ってゴブリンは現れない。
野生の勘が働くのだ。

だから、この春に席替えがあったとき
僕は飛び上がって喜んだ。
やっと2匹のゴブリンから逃げられる!
はやる気持ちが抑えられず、
誰よりも早くデスクの荷物をまとめた。

そして新しいデスク。
僕の真後ろには、クリエイティブトップの御二方の部屋。
博報堂の伝説のクリエイターであり、役員の御二方である。
しかもガラス張りでスケスケ。
もう、緊張で仕事にならない。

2匹のゴブリンが
御二方のラスボスにレベルアップし、
僕は喫茶店で企画をすることに決めた。

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