リレーコラムについて

本音の独立談 その3

見市沖

日曜です。

住んでいる鎌倉のカフェで書いています。

経営を語り合う男性達、

散歩途中のカップル、

わんちゃん連れの外国人。

まざり合うことなく、

それぞれの時間が心地よく同居している。

平和な時間。

僕もその中にいます。

 

さて

会社を卒業してよく聞かれる質問シリーズ

最後は「これからどうするの?」です。

 

むずかしい質問です。

将来的にこれがやりたい!と思って

独立したわけでもない。

でも、自分が聞く側になるときは

クライアントの社長に

夢はなんですか、とか、将来の展望は、とか

やっぱり聞いてしまいます。

自分を棚にあげず

答えを持ちたいと思いました。

 

辿り着いたのは

「主観的に生きる」

です。

 

言わずもがなAI時代。

正解という名の客観は、すぐ手に入ります。

本当にものすごく助かっている。

「定款って何?」

「これって経費になるの?」

「マーケットリサーチして!」

「このボディコピー校正して!」

24時間、すぐさま答えてくれる。

ひとり経営者にとってのAIは、

相棒という言葉では語れないほどに有難い存在です。

AI時代に独立してよかったー!と何度思ったことか。

 

けれどだからこそ、

これからの僕の仕事は、客観ではないのだ、と感じています。

「このマーケットはこうなので、こうすべきです」

ではなく、

「AIはこう言うかもしれないけど、ぶっちゃけこうじゃないですか?」

「一人の生活者として、こっちの方が好きです」

「あなたと一緒に、僕はこういうブランドにしていきたい」

のほう。

客観に溢れる時代だからこそ、

強く感情のベクトルを持った主観が価値を持つ、

クライアントも生活者もそちらに惹かれていく時代なのだと思います。

 

じゃあ好き勝手言ってれば仕事になるの?

というとそういう訳でもない。

「主観の広さと深さ」

を持つ人であることが大切。

人よりも多くのことを体験して感じておくこと。

なんでこう感じたんだろう?と

感情を深掘りしておくこと。

そんな広さと深さのある日常に育まれた

主観的な意見にこそ

価値が生まれるのだと思います。

 

時代は明らかに、主観の方へ向かっている。

心からの声が大切な未来に向かっている。

そんな想いも込められているのが

「本音」という社名でもあります。

小さな会社ですが、

小さいからこそ主観を大切に

生きていきたい、と思っています。

 

3回にわたり、ありがとうございました。

なんだか当たり前のようなことを

長々と書いてしまったような気もしています。

 

次回バトンをわたすのは、尾上くんです。

今や業界の宝と言ってもいい彼は、

電通時代の同僚であり、

TCC新人賞の同期であり、

実は、僕の中高、鎌倉学園の2個下の後輩でもあります。

学生時代は特に面識があったわけでもないのですが、

ときどき飲み会などで彼の名前が出ると

「尾上は俺の中高の後輩」と、

先輩風を吹かせてしまう自分がいます。

恥ずかしいです。

 

彼こそ、

豊かな主観を持って働いている人だと、僕は感じます。

そんな尾上くんのコラムを読むことが

とても楽しみです。

 

(株)本音

クリエイティブディレクター 見市 沖

仕事集  https://hon-ne.co.jp/

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