リレーコラムについて

外の世界にでたコピー

藤曲旦子

 

30歳を過ぎてから、

どうでもよくなってくることがあります。

泥臭さを見せたくない。
スマートな先輩に見られたい。

 

無理でした。

 

なので、

もはやこの泥臭く、汗臭く、雑草魂的

時代に逆行した生き方を参考にしたい方は

あまりいなそうですが、

 

もし今、絶望のふちにいる方や

これからコピーライターを目指す方の

お役に立てたら、過去の私もよろこぶと思うので、

書いておけたらと思います。

 

(前回の続きです)

広告会社のインターン仲間が

CM企画やコピーの研修を受け、

コンペでも名前を見かけるようになった頃、

 

私はというと、もはやなにをしているか、

自分でもよくわからないまま、

記憶に残らぬ日々を過ごしていました。

 

そんなときに盗み聞いた
宣伝会議コピーライター養成講座の噂。

 

募集していたのは専門クラスでしたが
一刻も早く日々を変えたかった私は

ゆっくり時間をかけて、
基礎からなんて言ってられない。

 

通ってみて、何も評価されなかったら

もう広告業界から潔く撤退しよう。

そう固く決意していました。

 

初回の授業、教室に行くと入り口に

座席表が置いてあって、

当時、谷山さんの専門クラスでは
授業の座席は、
課題で提出したコピーの評価順。

私はというと、後ろから2列目。

しかも点数も横並びだったので、

実質ほぼビリの方。

 

座席について前をみると

人、人、人、人!!!!!!!

 

広告会社のすでに

プロのコピーライターの方たちが

前の方の席に座っているのです。

 

そこから

毎週土曜の夜にみっちり講義があって、

長いと6時間ある日も。

 

事前に書いて提出したコピーを

全員の前でプレゼンして、

全員の前でダメ出し(愛ある)をいただき

落ち込んで、次の課題が与えられて、

濃い時間を過ごして、

あっという間に卒業です。

 

※この講義で得たものについて
書きたいことは山ほどあるのですが、
コラムではなく、
論文レベルに長くなってしまうので、
また別の機会があればお伝えしたいです。

 

講義最終回、

なんと、最前列の席まで辿り着きました。

(人生でいちばん、がんばった夏です・・・)

 

そして講義で褒められたコピーを

講師の方にいただいたコメントとともに

会社の壁に貼りまくり、

「コピーの仕事があったらお声がけください!」

と書いて、猛アピールしました。

もう生きていくためにやってる感じです。

 

でも、本当にやってよかった。

 

会議でドリルに来ていた

電通CDCの局長が、

そのコピー展を見てくださって、

「この子、コピー勉強したいなら出向させる?」と

ドリルの社長と相談してくださって、

電通CDC局への出向が決まりました。

 

当時の局長は樋口景一さん、
ルーム長は髙崎卓馬さん。

お二人と面接をして、

自分がなにをしたいか、どうなりたいか。を

お伝えしたところ、

 

ゴニョゴニョ・・・

ああ、いいかもね。面倒見いいもんね。

今いるかも、呼んでくるわ。

 

と、樋口さんが連れてきてくださったのが

トレーナーであり、

つい昨日もとんでもない素材量の編集で

ご一緒していた正親篤さんでした。

 

ADのトレーナーに付くと、

コピーを書く機会がたくさんあるのと、

おおぎさんは、磯島さんとよく仕事をしているので、

勉強になるからと、選んでくださったと伺いました。

 

(樋口さん、髙崎さん、感謝しきれません。。)

 

おおぎさんの仕事に一緒に入らせていただき、

コピーを出させてもらい、

年の近い先輩たちが

ビシッと決めたコピーを書いていて、

ボディコピーも任せてもらっていて、

 

すごいなあ。かっこいいなあ。

いつか私もそうなりたいな・・・

 

そう感じながら、

とにかく日々勉強あるのみ。

 

先輩たちの選ばれたコピー

そして磯島さんが赤を入れたコピー

修正前と修正後を見比べて考える。

 

打ち合わせの一人ひとりの発言や

ヒントになりそうな言葉を

逃さないために録音して、

(※議事録を書くからと許可とって)

電車の行き帰りでくり返し聞く。

 

分科会にもすべて出て、

全部署の進行を誰よりも把握して、

打ち合わせに出れなかった先輩に共有することで

仲良くなる機会をつくる、

仕事をもらう。(姑息な手段)

 

平日も休日も考えまくる。書きまくる。

 

そして、

いちばん最初に世に出たコピーが

マンツーマン英会話教室の額面コピー

「未来の私は、がんばった私でできている。」 でした。

 

・・・

個人的な話すぎてすみません。

なぜ今、書いておこうと思ったかというと、

もう遠い記憶になりつつあるんですね。

 

社会人10年目、コラムをきっかけに。

立ち止まって、振り返ってみました。

初心を忘れずにいないとです。

 

あと2回。

せっかくなので、書いてみようと思いますが、

仕事の話は、一旦ここで終わります。

 

以上、泥臭い私の備忘録でした。

 

NO
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名前
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